「「あ」」
出かけ先で、たまたまあの先輩とまた出会った
はたしてこれは運命か、それともただの悪戯か
「先輩と俺」
「・・・・お久しぶりです、ゴールド先輩」
「えーと、ソウル・・?だよな?」
「はい」
出かけ先で、たまたまあの先輩とはち合った
今日は天気がいいから出かけようと思ってここまで来たのだが・・、とんだハプニングだ
いや別にハプニングというほどハプニングではないのだが、この先輩と居合わせると、少々まずいことになる
できればこのまま通りすぎてしまいたいのだが・・、そうもいかないだろう
さてはてどうしたものか・・・
「・・・・えーと、・・・・元気か?」
「ええ、どちらかといえば」
気まずそうに話し出すゴールド先輩
そりゃそうだろうな
何回もあったわけじゃないし、かといって全く知らないわけでもない
実をいうとこういう時の対処が一番困る
あらかさまに無視するわけにもいかないし、気安く話しかけるのもおかしい
俺はいつもこういうときどうしたらいか分からないから、ハートに頼ってしまうとこがある
気をつけなきゃとは思っているのだが、どうもうまくいかない
そろそろこのくせ直さなきゃな・・・・
・・・・・・・・・!
てか意外だな
こういうとこでゴールド先輩が悩むなんて・・・・
そういうことには無頓着な人だと思っていたけど・・・
・・・・・・・・・・・・・・・いや、なんか変だな
別に俺に会った気まずさは無いみたいだぞ?
もしろ他の事で悩んでいるような・・・・・
・・・って、ん?
ふと俺の目に入ってきたのは、アクセサリー専門店の紙袋
あのゴールド先輩がアクセサリー?
別におかしくは無いが・・・・・、自分でつけるにしては少しおどおどしすぎじゃないか?
見られておかしいことでは無いし・・・
ひょっとして誰かへのプレゼント?
いやそれでもこんなにおどおどする必要は無・・・・・・、あ。
言いかけて、ふと頭にある人の顔が思い浮かんだ
もしかしてあの人へのプレゼントなのか?
だからこんなにおどおどしてるのか?
そうだとしたら確かにつじつまは合うけど、ゴールド先輩があの人にプレゼントだなんて・・・
天変地異の前触れじゃないか?
むむむ・・・、と、真剣に悩む
しかし、いくら考えても答えは出ないので、もう直接ゴールド先輩に聞いてみてみることにした
シルバー先輩へのプレゼントですか?って・・・
「・・・・・はあ!?なっ、何言ってんだよ!!んなわけ・・!」
「じゃあその紙袋は?」
「・・・・・・・っ」
聞いてみれば、予想通りの反応を返すゴールド先輩
てかほんとにシルバー先輩へのプレゼントなのか・・・
マジで天変地異の前触れじゃねーだろうな
防災セット、用意しておこう
頭の中でうんうんとうなずく
すると、ゴールド先輩がいつの間にか俺の腕をつかんでいて、来い!と、俺の腕を引っ張った
あー・・・、だからゴールド先輩にかかわるの嫌だったのに
つーか俺、この後予定あるんですけど
どうしてくれるんですか
心の中で悪態ついても、なにも始まらず、俺はただゴールド先輩に引っ張られるがままだった・・・
「・・・・・・・よし、ここでいいか」
ゴールド先輩が足を止めたのは、あれから十分後のこと
人気の無い公園で足を止めると、ゴールド先輩はくるりと振り向き、こう言った
「いいか!?絶対シルバーには言うなよ!約束だからな!」
つーか、人をここまで引っ張っておいていうことがそれですか
俺もう帰りたいんですけど
いいかげん、この腕はなしてくれませんか?
「分かりましたよ・・・、シルバー先輩には言いませんから・・・、それじゃ、俺はこれで・・」
いい加減嫌気がさして、適当にそういえば、がしっとつかまれる腕
・・・・・・・・・またかよ
いったいなんなんだよゴールド先輩は・・・・
そんなに俺の邪魔したいのか?
「ゴールド先輩、俺急いで・・・・・、!?」
少しイラついた声でそういおうと振り返れば、今にも泣き出しそうな表情のゴールド先輩
「・・・・・・・・・・っ」
不覚にも、ドキッとしてしまった・・・
ゴールド先輩の姿が、なんだか、ハートの泣き顔とかぶってしまって・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・いったい何があったんですか?話しぐらい聞きますよ」
はー、とため息をつき、仕方ないと、というように、俺は公園のベンチに座った
この後のハートとの約束は、無かったことにしよう
そう決心して・・・
「あのな・・・俺・・・、この間、アイツのブレスレットこわしちゃったんだ」
「・・・・・それで?」
「それがどうやらブルー先輩からもらったものらしくてな、アイツ、めちゃくちゃ怒ってんだよ・・・・・」
「それは災難・・・」
「最初はどうでもいい、って思ってたんだけど、後になるほど罪悪感があふれてきてさ、だから、俺、少しでも謝ろうと思って、ブレスレット買ってきたんだよ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「でもやっぱりおんなじ種類は無くてさ、似たようなのしか買ってこれなかったんだよな」
「・・・・・そりゃまあ、つか、それ以前の問題ですよね」
「だよな・・・・・、ほんと、どうしよ・・・・・」
頭を抱えるゴールド先輩
やれやれ、そんなもの、素直に謝っちゃえばいいものを・・・・・
まあ、相手があのシルバー先輩じゃ、そうはいかないんだろうけどさ
それでも、本当に許してもらうだけならきっと、もうとっくにあやまってる
それなのに謝らないのは・・・・、きっと・・・・
「・・・・・・本当に悪いと思ってるなら、さっさと謝っちゃえばいいじゃないですか」
「そんなこと・・!」
「それとも、面と向かって嫌われるのが嫌なんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・は?」
一瞬、驚いた表情をするゴールド先輩
そしてその後すぐ顔を真っ赤にさせ、反論してきた
「なっ!べっ、別にあんな奴に嫌われようが俺はどうでもいいっての!!ふざけたこと言ってんじゃねーよ!!」
しかし、その表情は、どこか泣きそうでもある
やれやれ・・・、めんどくさい人だ・・・・
「じゃあ、さっさと謝ればいいじゃないですか」
「・・・・・・・・・・っ」
「すごく簡単なことでしょう?悪いことしたんだから、謝れば」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かって、る・・・」
「はぁー・・・・・」
ほんとこの人は・・・、素直じゃないんだから・・・・
「・・・・・・・・・俺、言いますよ?」
「へ?」
「シルバー先輩に。今日の事」
「はあ!?ふざけんなよ!!」
冗談でそういえば、珍しくはっきりと言い切るゴールド先輩
ほら、そんなにも思ってるんじゃないですか
だったら簡単なことじゃないですか
「謝れよ」
低く、鋭い声でそういえば、ゴールド先輩はびくっと体を揺らし、ぱっと俺から目を離した
「・・・・・・・・そんなこと、分かってるつーの!!!」
そういうと駆け出すゴールド先輩
きっと目的地は、あの人のところ
こんどは素直に謝れるといいんだけど
なんだかこっちまで不安になってくる
「・・・・・・・・ハート」
ふと、愛しい心友のことを思い出した
もう、約束の時間から二時間も過ぎている
しかし、きっとアイツは待っているだろう
あの場所で、俺が来るのを・・・・
「・・・・・行くか」
これから起こることを想像すると、つい足が止まってしまうが、それでも俺は行こう
あの場所へ、お前に会いに・・・・
ああ・・・・、なんだか・・・・
今日はやけに君が恋しいや
END
これのシルバーとハートバージョンはこちらです
「俺と先輩」