「ん?あれは・・・、シルバー先輩?」



「俺と先輩」



公園の時計台の下で、待ち人を待っていれば、ふと見たことある顔を発見
あれは・・・、シルバー先輩?
なんだってこんなところに・・・・
誰かと待ち合わせかな?



少しイライラした様子で時計をみているシルバー先輩を見て、そう思う。 あの人が待ち合わせかー、一体お相手は誰なんだか・・・。
ま、どちらにしろ、俺には関係ないけど。



前のほうに視線をもどし、なるべく意識しないようにする。
俺は面倒ごとは嫌いなんでね。
なるべく貴方とはかかわりたくないんですよ、シルバー先輩。

しかし、運命というものはそううまくいかず、なかなか俺をほうっておいてくれない。
今まで全く周りを意識していなかったシルバー先輩が、ふとこちらを見る。

うっわ・・・、目が合っちゃたよ・・・・。
無視するわけにもいかねーし、ま、軽く会釈だけしとくか・・・。


そう思い、俺が会釈しようとすると、あ、とシルバー先輩が声を出し、俺に向かってこう言った。

「ゴールド!?」


ああ・・・・またかよ・・・・・・・・。
この間も間違えてなかったか?この人。


たったと駆け足でよってくるシルバー先輩。
つーか珍しいな。
いつもはマイペースなシルバー先輩が駆け足って。
ま、俺に言わせれば、それだけに厄介ごとに絡まれる確率が増えたってことだけど。



「お前こんなところでなにやって・・・って、・・・・・お前、ハートか?」
「どうも」
「・・・・・・・・悪い、間違えた」



近くまで来てやっと俺だと気づいたらしい。
シルバー先輩は罰の悪そうな顔をする。
ま、いいですけど。
俺とゴールド先輩って、顔そっくりですからね。
間違うなってほうが無理ですよね。



「そんなことより、どうしたんですか?今日は」
「・・・・何がだ」
「貴方が駆け足なんて随分珍しいじゃないですか、普段何事にも動じないのに」
「・・・・たまたまだ」
「嘘言わないでください、俺にはわかりますよ?」


ふっと怪しい笑みを浮かべる。
するとしかめっ面になるシルバー先輩。
やだな、別に何もたくらんじゃいませんよ
ただどうせ厄介ごとに絡まれるなら、自分から向かったほうがいいと思いましてね。
だって運命は俺達をほうっておいてはくれないでしょう?
絶対どこかでめぐり合うはずだ。
だったら早いほうがいい。 面倒なことは早く終わらせたい。
俺はそう思うんですけど、貴方はどう思いますか?



「・・・・・ゴールドを、見なかったか?」
「・・・ゴールド先輩?・・・・見かけてないと思いますよ。実際に会った事は無いんで良く分かりませんが、見かけたら気づくでしょう。嫌でも」

だってこの顔だもんな。



「そうか・・・・・・」


ほんの少し残念そうな顔をする。
なんだ?
なんか違和感感じるな
まあ、最初からそうだったけど。



「・・・・・ひょっとして、喧嘩でもしたんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・アイツとの喧嘩など日常茶飯事だ」

あ、いま少し間が空いた。
それに、一瞬だけど顔をしかめた。

つー事は図星か。
やれやれ・・・、これは思ったよりも面倒そうだぜ・・・。



「・・・・・まあ、何があったかは追求しませんけど、普通の喧嘩じゃない事は、お察しします」
「・・・・・・・・・・・・・・・少し反省している」
「・・・・反省?貴方が?」
「・・・・・まあ」


反省って事はシルバー先輩が悪いのか?
いや・・・・、この人のことだからそれはないだろう
こう見えても結構しっかりしてるから、自分から他人に迷惑をかけることは無い。
となれば・・・・・。



「・・・・・言いすぎたんですか?」
「・・・・・・・・・少しは反省しているといっている」



ああ・・・・・・・・めんどくさい。
ほんと、厄介だな、この人は。

もっとはっきりと言ってくれればいいのに・・・。
分かりにくいったらありゃしない!



「・・・・言いすぎたんですね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・はぁ、全く、どうして貴方達はそう次から次へと喧嘩できるんですか?少しは俺とソウルを見習ってほしいですね」



まあ、この二人には、無理な相談なんだろうけど。



「・・・・・・・・・・・・言いすぎたとは思っている。だけど、アイツにも非があるんだ」
「それは分かりますけど・・・・」


さて、どうしたものか・・・。
やっぱりここは仲直りさせるか?
いや・・・・・、それはかなり面倒だな。
この二人どっちも頑固だからなー、自分からは謝らないだろうな。

まあ、同時に、どっちも同じくらい相手を気にかけているんだけどな。
良くも悪くも。




「・・・・・・・・ああ、もうめんどくさい!さっさと仲直りしたらどうですか?」
「・・・・・・・・・・・・・そんな事・・」
「出来ないですよね、分かってますよ。」
「・・・・・・・だったら」
「何でそういったか、ですか?」
「・・・・・・・ああ」
「それはですね・・・・、まあ、言葉の誤ってやつですよ」
「・・・・・・・・・言葉の誤?」
「仲直り・・・っていうよりは、また喧嘩したらどうですか?」
「喧嘩だと?」
「ええ」

喧嘩するほど仲が良いっていいますしね。
それに・・、喧嘩なんて日常茶飯事なんでしょう?
とういうことは、普段からいちいち謝ってなんていないってことですよね。
だったら答えは簡単じゃないですか。
また喧嘩すればいいんです。
そうすれば、元通りですよ。前の喧嘩なんて忘れちゃいます。



「・・・・・・火に油をそそぐようなものじゃないか?」
「まあそうかもしれませんね、でも、いつもどおりが一番ですよ。何事も」


そう、何事もね・・・。
だから、


「俺はそろそろ戻らせていただきます」
「・・・・・・・・・何がだ」
「俺本当は待ち合わせしてたんですから、相談になんてのってる場合じゃないんです」


俺がそういうと少し不可解そうな顔をするシルバー先輩。
ひょっとしてまだ相談にのってほしいんですか?。
違いますよね。
まさか貴方ともあろう人が・・・・。


「・・・・・・・・・相談にのれといった覚えは無い」


あ、そっちでしたか
そりゃ失礼。
でも、
「おかげで助かったでしょう?」


ふっと自慢げな笑いをつくってみせる
するとシルバー先輩は不愉快そな表情になり、「・・・・・まあな」と、つぶやいた。


「でしょう?良かったじゃないですか。仲直りできるといいですね。あっ、喧嘩か」


俺が付け足すようにそういうと、まあなと自慢げに笑ってみせるシルバー先輩。


ふふ、そんな顔も出来るんですね。
知りませんでしたよ。
それもゴールド先輩のおかげですか?
ほんと、愛しているんですね。
っと、これは言うと怒られるから黙っておきましょう。


「それじゃあ、また、シルバー先輩」
「・・・・・ああ、ありがとう」


いいえ、それはこちらの台詞です。



「お元気で!」
「・・・・・・・・・・・ああ」


そのまま走り出すシルバー先輩。
会いに行くんでしょうか?
ゴールド先輩に。
うまいこと仲直りできるんといいんですけど・・・って、喧嘩だったな。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


時計台に体をあずけ、空を見上げる。
もう待ち合わせから二時間も経っている。
だけどソウルはまだ来ない。
きっとまた何か厄介ごとに絡まれているんだろう。

もし俺がここでシルバー先輩に出会っていなかったら、きっと怒っていただろう。
しかし、今はまったくそんな気になれない。
なんでかな。




今はやけに、



「君が恋しいんだ」







END








これのゴールドとソウルバージョンはこちらです
「先輩と俺」