『生まれる前のこと』


これはずっとずっと昔の話です。
ある所に、敵対関係にある二つの国がありました。
東にどんと構えるその国の名は、『アーナメントウスター王国』
西にどんと構えるその国の名は、『アルジナイトギタール王国』
この2つの国は昔から仲が悪く、いつ戦争が始まっても不思議じゃありませんでした。
さてはて、その2つの国の王の娘と息子は、頭を悩ませていました。
なぜかというと、二人とも互いに敵対関係にある隣の国の王子、または姫を、好きになってしまったからです。
こんなことが王にばれれば大変です。
今にでも戦争が始まってしまうでしょう。
しかしあふれ出る気持ちをとめることは出来ず、二人はこっそり誰にも見つからぬよう会っていました。
丁度国境にある、泉のほとりで待ち合わせ。
なんてロマンチックなことでしょうか。
しかしその幸せもそう長くは続きませんでした。
ある日のことです。
東に構える国、アーナメントウスター王国では、隣国に攻め込む計画を立てていました。
それを知ったお姫様は、兵隊が止めるのも聞かずに急いで隣国へ走っていきます。
勿論王様は激怒。
すぐに連れ戻せと家来に命令します。
多少傷ついてもかまわないと。
そうとも知らず、姫様は必死に何千里もある道を走っていきます。
森の中を走ったものですから、衣服はぼろぼろ、身体にも怪我を負ってしまいます。
しかしそれでも姫様が足を止めることはありません。
大好きなあの人を守るために。
ただそれだけを考えて、姫様は険しい森の中を走ります。
どれくらい走ったでしょうか。
足取りも重くなった頃、もう気力だけで走っている状態で、ついに隣国の宮殿につきました。
許可などとっていませんから、門を守る門番をぶったおして、宮殿へと侵入しました。
そしてすぐに王子様の部屋に向かいます。
その途中なんども家来に邪魔をされたけど、そのたびになぎ倒し、ただひたすら王子様の部屋を目指しました。
『王子様、逃げてください!』
姫はそう叫び王子様の部屋に入りました。
王子様はびっくりです。
倒れる彼女の体を支え、何があったのかと聞きます。
その彼女から告げられたとんでもない事実を聞いて、王子様は顔が青ざめました。
すぐにでも王に知らせなくては国民にとんでもない被害が出てしまいます。
しかし、それをやってしまえば愛する姫は裏切り者、行き場を失ってしまいます。
悩む王子の下に家来がやってきました。
隣国の姫を見て、すぐさま家来は発砲します。
やめろと大声で叫び、王子様は部屋を飛び出しました。
そのことはすぐに王様の耳にもはいり、ひっ捕らえよと命令します。
追ってくる家来から逃げるために、王子は姫を抱え森の中へと入っていきました。
その後を家来も追います。
しかしなにしろ森の中ですから、いつしか見失ってしまいました。
そして丁度その時向こうから人影が、それは隣国の兵士達でした。
二人の王様は兵隊達に命令を下し、戦争が始まります。
一方王子と姫はどうなったかというと、いつも二人の待ち合わせ場所と決めていたあの湖に来ていました。
『もう、駄目だ・・・・』
王子はその場に倒れこみます。
姫は倒れる王子に抱きつき、愛していると呟きました。
王子も姫に愛していると伝え、二人は手を握って静かに息を引き取りました。
今度は戦争の無い平和な国で、また会えるようにと願いを込めて・・・・。
そして三百年後の今、




「二人はシルバーとゴールドと名を変えて、毎日喧嘩ばっかりしてたらいいのになぁと思ったり思わなかったり」

「な、何の話だ?それ」

「んー、俺が作ったお話。なんであの二人はあんなに仲が悪いのかなぁ、と考えてたら、つい」

(なんでそんな話になったんだ!?)




ある日のハート君たちでした。






END


後書き
お題五発目です!
このお題シリーズ、お持ちかえり可能のフリー小説ですので!
お好きなのをどうぞ。
勿論全部でもいっ・・・・・・・・、こほん、失礼しました。
あ、このお題を持ち帰るときについての注意点なのですが、このお題はお題屋さんから借りたもの
なので、お題の二次配布はしないでね!勿論小説も!
そして自作発言禁止!
あと文だけ持ち帰ってね♪
ここに直接飛ぶようにしないでね♪
それでは、引き続きお題をお楽しみください。
*持ち帰る人は一言ください!