『トリプルデート☆大作戦!』
今日は楽しい楽しい日曜日。
家でゆっくり過ごすのも捨てがたいけど、今日はせっかくのいい天気だから、恋人と出かけてみるのもいいかもしれない
定番の待ち合わせ場所で、おそらく遅刻してくるだろう恋人を待つ。
・・・・ん?同じ部屋に住んでいるじゃないかって?
ははっ!そんな事は気にしない気にしない!
わざわざ起こす義理もないだろ?
それに雰囲気雰囲気。
こっちのほうがデートっぽい、そう思うんだけどな、俺は。
・・・え?ただの言い訳じゃないかって?
ご名答!そのとおりだぜ!
「・・・・・・ん?あれは・・・・・」
ふと見たことある顔を見つける。
えーと確かあれは・・・・、そうそう、ヒビキ、だっけ?
この間俺の学校に来た。(詳しくは、十人十色の彼らたちを見てくれよな!)
こんな所で何をしているんだ?
まあ、俺には関係ないんだけど、デート相手が来るまでの暇つぶしって事で。
にこっと意地悪く笑ってみせ、どことなく落ち着きが無い彼に近づく。
「よっ!何してんの?こんな所で」
「ひゃっ!?・・・・あ、ハート、君?」
若干声が裏返ったのは気にしないでおこう。
俺はそうだよと頷くと、もう一度同じ質問を彼にぶつけた。
するときょろきょろと辺りを見渡し、どことなく落ち着きが無い。
う〜んと、これは・・・・・・・。
「デート?」
「えっ!なっ、なんで分かって・・・・」
とたんに赤面するヒビキ。
う〜ん、なんでって言われてもな。
ほぼ勘みたいなもんだけど、あえて理由をつけるなら俺もそうだから。
それに、なんとなく時間を気にしているみたいだし。
指にはめられているリングを見ては、微笑んだり、少し不安そうな顔をしたり。
どうみたってデートの待ち合わせにしか見えない。
こんな感じじゃ駄目ですかねぇ。
「・・・・・そっ、そうなんだ。僕、そんなに分かりやすいのかなぁ・・・・」
俺もデート、という部分だけ抜いて、そう思ったわけを説明する。
するとしゅんと落ち込むヒビキ。
その姿はとても可愛くて、その場にいた人全員が振り返った。
勿論、男もね。
老若男女問わずって、こういうことを言うんだな〜、なんて。
俺にとってはどうでもいい話だけど。
だってこいつに興味なんてないし。
あくまでただの暇つぶし。
人間にかかわってもろくなことがないからな。
近づきすぎないように、普段から気をつけているんだ。
「分かりやすいことは悪いことじゃねーよ。いいんじゃないか?素直でさ」
そういって笑えば、一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐにふふっと可笑しそうに笑う。
じっと彼を見つめれば、ごめんなさいと一言言った。
そして俺に向かって、やっぱり綺麗ですねと、実に楽しそうにいったんだ。
・・・・・・何言ってんだか、こいつ。
「だって、本当に綺麗なんです。老若男女問わず、みんながみとれると思いますよ?」
「・・・・・・・・ふ〜ん、でも、俺はただ、惑わすだけだよ。綺麗なんて言葉、俺にはあわないね」
そうですか?と、また可笑しそうに笑う。
ああ、とだけ答え、そろそろ飽きたので待ち合わせ場所にもどろうと思った。
するとまた見たことある顔発見。
今日はよく知り合いに会う日だな。
ま、みんな同じこと考えているって事なんだろうけど。
日曜日にはデートですか。いいですね〜。
お相手は勿論、あの人ですよね?
ちょいちょいとヒビキを手招きして、なんだか周りの目を気にしている彼に近づく。
そしておもいっきり大声で、
「わっ!!」
と驚かしてやった。
「うわっ!?」
思わずバランスを崩しそうになるが、さすがに運動神経がいい。
なんとか体勢をたてなおし、ぎろっとこちらを睨んでくる。
へらりと笑えば、おもいっきり嫌そうな顔をされてしまい、少し頭にきた。
いつもどうり少し脅しの効いた声で笑顔をつくり、逃げだせないようにする。
彼は逃げ出す気も無かったのか、俺よりも後ろに居るヒビキのほうが気になったみたいだった。
「・・・・珍しい組み合わせなこって」
「たまたまそこでばったりあったんですよ。ねぇ、ヒビキ君」
「え、あ、はい」
それだけで俺たちの会話は終了。
俺からも特にはなすことはなく、この時間を苦痛だとも思わない。
どうせならゴールド先輩をからかってもいいんだけど、デートだって事はみえみえだし。
それにからかうんならあの人も一緒じゃなくちゃ。
見たところ待ち合わせというよりは、待たされているって感じだけど。
おそらくその辺の洋服屋にでも入ったんじゃないだろうか。
だってゴールド先輩の格好はとても寒そうだもの。
「・・・・・・・なぁ、いつまでここに居るんだ?」
「んー、・・・・そうですねー、まあ、飽きるまでかな」
そういえば分かりやすく不機嫌そうな顔をしてくれる。
デートの邪魔をするなってことですか?
でも人間って不思議なことに、するなといわれたらしたくなるんですよねー。
それに、二人のデートも見てみたい気もするし。
いい暇つぶしになりそうだ。
「あ、あの・・・・・・」
ヒビキがそう遠慮がちに口にだしたとたん、後ろから誰かを呼ぶ声。
その声の持ち主は俺の見たことのないやつだった。
だけどその顔はある意味いつも見ている。
きらりと左手に光るリングが、やけに輝いて見えた。
「悪い、俺遅くなった・・・・・って、誰だよ、そいつら」
驚きと、少しの不満が混じった声で、そいつはそういった。
俺はにっこりと笑って見せると、ハートですと自己紹介をした。
ゴールド先輩も続けて自己紹介をし、ヒビキの友達だといった。
勿論、俺は友達だとは言わなかったけど。
ゴールド先輩ほど、軽い性格じゃないんでね。
「・・・・・友達?・・・・・ふーん」
あきらかに不機嫌そうな返事。
ぷいっと子供っぽく顔を背けると、おろおろと困っているヒビキを睨みつけたのが分かった。
少しヒビキが泣きそうになったのが分かる。
たっく、恋人泣かすなんて、よく出来た彼氏さんだこと。
そんなんじゃ嫌われちゃいますよー。
・・・なんてね、これも俺には関係のない話。
でも睨まれるのは嫌だし、ちゃんと説明をしておこう。
「そんなに不機嫌そうにするなよ。別にヒビキ君とはなんでもないよ?俺たちも今恋人と待ち合わせしているの。
ねぇ?ゴールド先輩?」
「なっ・・・・、に言ってんだよ!」
「ふふっ」
ちらりと不機嫌そうな彼を見れば、随分と驚いた様子。
何?お前もなんで恋人だと分かったんだと聞いちゃうタイプ?
そんな野暮なことは聞かないでくれよ。
分かりやすいリングをして、可愛らしく俺たちに嫉妬をして、ばれないほうがおかしいって。
ね、そうでしょう?
「・・・ヒビキ、話したのかお前!?」
「まさか!・・・・あのね、ばれちゃったの。初めて会ったときに」
ヒビキの言葉を聞いて、ますます驚いた様子の彼。
ちらちらとこちらを見ては、視線をはずす。
俺は丁度こちらを見たときに微笑んでやり、その動きを止める。
何も言わなくても嫌というほど緊張感が伝わってきた。
よしよし、いい感じ。
第一印象は大事だからね。
なめられないようにしないと。
「・・・・っ、ヒビキ!行くぞ!」
「え?あ、カナデ?」
どうやらカナデというらしい彼は、そのままヒビキを引っ張っていこうとする。
しかし運悪く誰かに当たってしまい、その足は止まる。
ぶつかってきた人に文句をいおうとしたのか、顔を上げたがその瞳がすぐに驚きのものに変わる。
何故ならその人は彼にそっくりだったから。
思ったとおり防寒具を手に持ったシルバー先輩が、無表情でこちらを見下ろしていた。
「あ、お久しぶりです。シルバーさん」
ヒビキだけは礼儀正しく挨拶をし、ゴールド先輩はぱっと目を逸らした。
俺はというと、ただ笑うだけで何もしない。
すると彼が溜息をつくのが分かった。
ヒビキに対してああと返事をすると、カナデを退かしこちらに近づいてくる。
・・・・・・あ、勿論ゴールド先輩にね。
「着ろ」
そう言いゴールド先輩にコートやらを渡す。
最初こそは文句を言っていたゴールド先輩だけど、寒かったらしいのか、大人しくそれに袖を通した。
ほっと嬉しそうに息を吐き、彼は笑った。
おそらくは無意識なんだろう。
そうおそらくは。
でもきっとシルバー先輩は、そのちょっとした変化に気づいているんだろうなぁ。
「・・・・・なんで俺が・・・!?」
しばらく呆然としていたカナデが、思い出したようにそう叫んだ。
シルバー先輩はちらりとカナデの方を見て、
「この世に自分とそっくりな人間が三人は居るといわれている」
とつめたい声で言った。
少し頭にきたみたいだったか、実際に目の前に自分が居るので、仕方が無く納得したようだ。
そして俺とゴールド先輩のことも見ると、そうかも知れないと呟いた。
その顔はどことなく青い。
やっぱりひよっこには刺激が強すぎますかね。
このタイミングでソウルが来たら失神しそうだな〜。
もう約束の時間から30分もたってるけどね。
でもなんか来そうな予感。
「・・・ハート?遅れてごめ・・・・・・、何してるんだ?」
ぽんっと肩を叩かれ後ろを向けば、そこには俺の同室者、そして恋人のソウル君が居た。
わー、タイミングいいなー。
カナデ君びっくりしてるんじゃん。
あ、気絶した。
ヒビキは凄く心配そうだな。
ゴールド先輩とシルバー先輩は、いつもどおり喧嘩、っと。
ふむ、ここはやっぱり。
「トリプルデートと行きますか!」
「「「・・・・はい?」」」
「・・・・・・で、なんで喫茶店なんだよ!」
「デートの定番じゃありません?喫茶店でパフェとか。ほら、ソウルなんてもう十個も注文してるし」
「じゅっ・・!?って、俺が言いたいのはそういうことじゃなくてだな!」
「どうして俺たちがトリプルデートのなどしなくてはならない」
「そう!そういうことだっつうの!」
隣で幸せそうにパフェを食べるソウルの髪をなで、目の前に居るゴールド先輩を睨みつける。
びくっと肩を揺らし押し黙ってしまう。
その様子に満足げに頷き、隣で途中から会話に参加してきたシルバー先輩に笑いかけた。
すると諦めたように溜息をつかれる。
そうそう、それでいいんですよ。
ついでに不機嫌そうにしているカナデにも笑いかけ、ヒビキにも同じ笑顔を向ける。
すると少し頬を赤く染める。
その瞬間カナデににらまれてしまった。
「お前らどういうつもりだ!」
さっきのことでイライラしたらしいのか、大声でそう叫ぶカナデ。
シルバー先輩は俺に聞けといい、ゴールド先輩も同感と呟いた。
ソウルはソウルで呑気にパフェを・・・って、よく食えるな。
ヒビキはおろおろしているし。
ふふ、みーんな可愛いんだから。
大丈夫、俺にまかせておけって!
「一期一会。ここであったのもなにかの縁。仲良くしようぜ」
「俺はヒビキとデートがしたいんだ!」
「すればいいじゃん。・・・ただ、それをみんなでやるだけだろう?」
そういえば黙ってしまった。
何か俺からただならぬ雰囲気でも感じたのだろうか。
それならば吉。
お前の判断は正しいよ。
良かったな、これ以上余計なことを言って、物言えぬようにならなくてな。
「さて、これから何処に行こうか」
楽しそうに笑って、次の予定を考える。
すると今までパフェを食べていたソウルが、ふとこんなことを言った。
「・・・そういえばハート、こいつら誰なんだ?」
その指の指す先にはヒビキとカナデが。
カナデのことはさっき説明したはずなんだけどな、全員に。
なんで聞いてないのかな〜?
それにヒビキのことも知らないとか・・・、お前こないだあっただろう?
本当にソウルはしょうがねー奴なんだから。
「こないだ会っただろう?ほら、二週間前に生徒会室で」
「・・・・・ああ、ハートとケーキの食べさせあいっこをした日か。・・・会ったっけ?」
おいおいおい!なんでそんな細かいこと覚えててヒビキのことは覚えてねーんだよ!
ある意味凄いよ!
つーかアウトオブ眼中!?
「てめぇ俺のヒビキを覚えてないとかどういう頭してんだ!一度見たら忘れられない顔だろうが!」
「えー、でも覚えていないし。・・・んー、カナデ、だっけ?悪いけど、君の恋人がどんなに可愛くても、俺はハートにしか興味がないんだ」
「なっ・・・・、俺のヒビキより、このサディストチックな男がいいっていうのか!?」
「どういう意味かな〜?カナデ君?」
低音で笑いかけてやる。
すると顔がひきつったのが分かった。
何故だか知らないけどゴールド先輩まで青い顔をしていた。
ヒビキはヒビキで泣きそうだし。
シルバー先輩は・・・、何考えてんだか。
ソウルはなんかキラキラした目でこっちを見てるな。
なに?惚れちゃった?
「・・・・・・綺麗な顔って、時には恐くもなるんだね・・・・・」
今にも泣き出しそうな声でそういうヒビキ。
カナデはそれを見て、いきなり鼻をおさえた。
あー・・・・、まあ、確かに今の表情は可愛かったしな。
鼻血がでそうになるのも分かるよ、うん。
そっとティッシュを差し出してやれば、一瞬こちらを睨みつけ、乱暴に受け取った。
おー、恐い恐い。
ゴールド先輩より乱暴だなー。
「そういえばシルバー先輩、ヒビキのこと、どう思いますか?」
今まで関係ないというように空を見ていたシルバー先輩に問いかける。
するとこちらを向き、そうだなと考えるそぶりを見せる。
そしてしばらくしてこう続けた。
「最初に会ったときは、気持ち悪いと思った」
「え・・・・・・・」
「はぁ!?正気かお前!」
シルバー先輩にまで悪態をつくカナデ。
ヒビキは少し悲しそう。
そりゃまあ気持ち悪いって言われればねー。
でも、たぶんそういうことじゃないと思うぜ?
「ゴールドが素直みたいで、凄く鳥肌が立った。だが、今日あったときは大してそれを感じなかった。
・・・・・まあ、可愛いとは思う」
つまりヒビキを一人の人として認識したって事ですかね。
確かにゴールド先輩と重ねてたんじゃ、気持ち悪くて当然だわ。
でも、貴方はそこで俺とじゃなくてゴールド先輩と重ねるんですね。
やっぱり本当は愛しているんだなー。
・・・・おっと、危ない危ない。
つい口に出しそうになっちゃった。
「そっか、嫌われているわけじゃないんだ。良かった」
「当たり前なことを言うなよ。お前を嫌う奴なんているわけないだろ!居たら俺がぶっ飛ばしてやる!」
「カナデったら・・・・・。もう、恥ずかしいよ僕」
あーらら、見せ付けてくれちゃって。
そっちもそっちでラブラブですね〜。
ゴールド先輩達も見習えばいいのに。
・・・・っと、やばいやばい、睨まれちゃったや。
俺の考えていることわかったんですかねー。
まっ、ともかく、親交も深まったみたいだし、
「トリプルデートに行きますか!」
「ああ!?またか!?」
「さっきも同じ事を言っていなかったか?」
「えっと、何処にいくのかな?」
「結局いくのかよ・・・・」
「・・・・・ハート、かっこいい」
全く、わがままだなー、みんな。
ちゃんと違うことを言ったのに。
ほら、さっきは『と』だったけど、今度は『に』でしょう?
今からトリプルデート大作戦ってこと!
さあ、楽しい日曜日の始まりだ!
END
後書き
はい!この間のリクエストの続編です!
えっ?全然つながりが見えないって?
・・・・・・・・・よくあるこった!気にすんな!
苦情?そんなものは受付・・・・・・・ますっ!(キリッ!)
いや〜、本当ですね、読み返すとつながりが全然・・・・、見えない・・・・・orz。
まあ、とりあえず書きましたので!許してやってください!
めっちゃ駄目文ですけれど!精一杯頑張りましたので!
書き直しも受け付けますよー!
バッチコイ!
・・・・・・こほん、では、この辺で・・・・・・。
ありがとうございました!