平和なはずの、月曜日、何故か俺はとんでもないことになっていた。
「・・・・・・なぁ、なんで俺ハートに押し倒された形になってるの?」
「気にしないで下さい。作戦のためにどうしても必要だったんです」
それはいつもと何も変わらない月曜日のはずだった。
今日はシルバーの野郎が珍しく屋上に居なく、ラッキーと思って午後まで昼寝を決め込むはずだった。
しかしなんだか人の気配を感じ目を開けば、目の前にハートの顔があるではないか!
驚き起き上がろうとしたんだけど、ふと手足が動かないことに気づく。
しっかりとハートが俺の手足を抑えており、いわゆる押し倒された形になっていたのだ。
物凄く逃げ出したくなったが、相手がハートじゃそうもいかない。
おそらく事情をしっているだろう彼に話を聞けば、上の台詞である。
思わずなんなんだと叫びそうになってしまった。
「ゴールド先輩、俺に犯されるか、言うことを聞くか、どっちがいいですか?」
「はぁ!?なんの冗談だよてめー!いい加減怒るぞ!」
俺に力で敵うはずないじゃないですか。
くすっと笑みをこぼすハート。
そのとおりなのでなんともいえないが、それよりもその目が笑っていないことに恐怖を感じた。
こいつ・・・・・、本気だ。
「・・・・・・なっ、なにすりゃーいいんだよ」
「聞き訳がいいですね。そういうの、嫌いじゃないですよ」
そう言い制服のポケットに手を入れた。
今のうちに逃げちまおうかとも考えたが、やめた。
だってハートは一瞬たりとも俺から目を離さなかったから。
何か行動をおこせばこいつはすぐに俺を捕らえるだろう。
危ない橋をわたるほど、俺はチャレンジャーじゃないんでね。
「日曜日、ここに行ってください」
目の前に差し出された紙にはこの間デート・・・・・・ではけしてなかったけど!
シルバーと待ち合わせした場所が書かれている。
じっとハートを見つめれば、昼一時ですのでと楽しそうに言われてしまう。
分かったと一言言えば、やっと開放される。
屋上から去っていく奴は、最後に一言こう言った。
「良かったです。ソウルに言い訳を考えずにすんで」
やっぱ本気だったのかよ!
『サディストチックサンデー』
「・・・・あ、こんにちは。ゴールド君」
「ヒビキ・・・・・」
言われたとおり日曜日に待ち合わせ場所に行けば、そこにはヒビキが居た。
何故、とも思ったが、どうせハートだろうと考えるのをやめる。
あいつの考えなんて俺には分からないっつーの!
考えるだけ無駄!
シルバーの思考のほうがまだマシだ!・・・・・・・たぶん。
「ごめんね、急に呼び出して。でも、どうしてもゴールド君じゃなきゃ駄目なんだ」
なんだ、呼び出したのはヒビキだったのかと安心する反面、ちょっと不機嫌になる俺が居た。
何もハートに頼まなくてもいいだろ!直接俺に電話するとかよ・・・・、あ、電話番号知らないんだった。
でも他に方法ってものが・・・・・!
・・・・・いや、一番これが確実か。
ぜってぇー俺来るもんな。
「なんだよ。たいしたこと出来ないぜ、俺」
「・・・・・もうすぐ、カナデの誕生日なんだ。だから何かあげたいいんだけど、何をあげればいいか分からなくて・・・・」
しゅんと落ち込むヒビキ。
その瞬間キャーと黄色い歓声が起こった。
勿論本人は気づいちゃいねぇ。
何気にヒビキに触ろうとしたおっさんを睨みつけて追っ払ってやる。
たっく、最近のおっさんは・・・・・、そんなんだからハゲるんだよ!
・・・・・・関係ねぇって?
知るかよ!んなこと俺の知ったこっちゃないね!
「ねぇ、何をあげればいいかな!?」
いきなり顔をあげたもんだからかなりびっくりした。
ああ、そうだった、俺に話しかけてるんだった。
プレゼントなぁ・・・・・、んなこと俺に言われても・・・・・。
適当でいいんじゃねぇ?
そう言おうと思ったけど、やめた。
だって思ったより真剣な顔してヒビキがこちらを見つめていたから。
そんなに好きなのか、カナデのこと。
だったら俺も真剣にならなくちゃな。
「俺にはわからねぇ、が、一緒に考えてやる。だからカナデの趣味とか教えてくれねぇか?」
「あっ、ありがとう!えっと、そういえば、最近ポケットティッシュが必需品だって言ってたよ?」
ポケットティッシュだぁ?
なんでそんなもん・・・・・・・、わからねー。
最近の若いもんは・・・・、あ、俺と同い年だった。
ポケットティッシュなぁ・・・・。
どう考えたってプレゼント向きじゃねーよな。
よし、違う方向でいこう。
「他はねぇのか?」
「う〜ん、・・・カメラ、かな」
「カメラ?」
「うん、よく持ち歩いてるよ」
カメラ、カメラねぇ・・・・・。
じゃあデジカメとか?
いやいや、駄目だろ。
そんな高いもん学生にゃ買えねーよ。
それに恋人からの誕生日プレゼントなんだろ?
もっとふさわしいものがな・・・・。
「あー、駄目駄目。次な。・・・・・・じゃあ、好きな色とかは?」
「・・・・・黒色の私服が多いよ?」
「黒色?」
「うん、黒子みたいな。あ、そういえばマスクもいっぱいタンスに入ってたよ」
・・・・・・おい、なんか今までの話を総合すると、ぶっちゃけ変質者みたいじゃね?
カメラにマスク・・・・、しかも黒い服?
これでサングラスもあったら完璧じゃねーか。
「それと、サングラスも!」
あるじゃねーかぁぁぁぁぁ!!!!!
お前の彼氏って変質者なのか!?
はっ、まさか・・・・・・、ヒビキをストーカーして隠し撮り!?
ティッシュは鼻血用か!?
なんつー彼氏だよ!
お前もっと人を見る目養ったほうがいいぜ!
「・・・・・・・・・えっと、僕なんか変なこと言った?」
「・・・・いや、ヒビキは何にも悪くねーよ。・・・・・あのさ、ハートに、聞いてくれねぇかな」
さすがにそんな変態の趣味わからねーつーの。
てか考えたくねぇ。
人様がどんな奴と付き合おうと人の勝手だからどうでもいいが、俺が巻き込まれるのだけはごめんだ。
せっかく俺を頼ってくれたけど、今回はハートになんとかしてもらってくれ。
「・・・・ハート君にも聞いたよ?でも、『僕をプレゼント☆みたいなノリでいいんじゃねぇ?(笑)』って言われちゃって・・・。
そんな事僕出来ないし、カナデも喜ばないよ・・・・。きっとからかわれたんだね・・・・」
いやたぶんそれ本気だと思うぜ。
そしてきっとカナデも喜ぶ・・・・・・、いや、なんでもねぇ!!
でもさすがハートだな、言うことが違うぜ。
もうそれでいいんじゃねぇ?
「・・・・・やっぱ、困るよね、こんなこと損談されても・・・・・。ごめん・・・・・・」
うっ・・・・。
何これ、かなり良心が痛むんですけど。
まさかハートはこうなることが分かってって・・!?
・・・・くっそ、ここまで言われて男ゴールド、引き下がれるかよ!
友達は泣かせねぇ!!基本だろ!?
「そんなことねぇーよ!まかしとけって!」
「・・・・本当?・・・・ありがと!ゴールド君!」
「ああ、まずはアクセサリーが基本だろ。・・・・・そのリング、カナデに貰ったんだよな?」
「うっ、うん。誕生日に」
誕生日に貰ったのか!
じゃあなおさらぴったりじゃねーか!
アクセサリーはアクセサリーで返す!
簡単にはずせるし、いつでも身につけてられるし。
いけそうだな!
よし、じゃあその線でいこう!
「さっそくアクセサリーショップ見に行こうぜ!・・・・あ、勿論高くないところな?」
「うん!」
ここから歩いて十分ぐらいのところにあるアクセサリーショップに行くことにした。
あそこなら俺もよく行くし、そこそこ手ごろな値段で買えるし。
なによりセンスがいい!
きっとこいつに似合うアクセサリーを選んでくれるだろう。
「いらっしゃいませ・・・・、あ、ゴールド君、久しぶりだね」
「どうもー、今日は俺が買いに来たんじゃなくて、こいつが・・・・」
「ひっ、ヒビキです。よろしくお願いします」
可愛い弟さんだね。
そういいヒビキの頭を撫でる店長。
弟じゃねーんだけどな・・・・・。
まっ、この顔ならそう思われても仕方ねーか。
それに今日は確かにちょっとお兄ちゃんって感じだしよ。
せっかくだから優しいお兄ちゃんを演じてやるか!
「こいつに似合うペアアクセサリーが欲しいんだけど」
「ははっ、彼女にあげるのかい?」
「えっと・・・・・」
「じゃなくて転校しちゃう友達に。だからどっちも男物で頼むぜ!」
戸惑っているヒビキの代わりに俺が答える。
店長は男物のペアかと悩んでいる。
まあたしかにあんま聞かねーよな。
でも言い訳としては丁度よくねーか?
「ちょっとないかな〜・・・・。でも、そのこ小さいし、女物でも十分入ると思うよ。男と女ようのペアでもいいなら、さがしてあげようか?」
「おっ、お願いします!」
そのまま店内を歩きまわる店長。
数分後、いいものを見つけたのか俺たちの所にかえってきた。
その手にはネックレスが入った箱が握られている。
「これなんかどうだい?」
箱を開けば縦長の長方形の中にHと書かれた銀色のシンプルなネックレスが入っている。
下半分が妙に開いてるけど・・・・、たぶんここにはもう一方の名前がはいるんだな。
ヒビキは嬉しそうにその箱を取ると、これでいいですといった。
「そうかい、お友達の名前のかしら文字は?」
「えっと、Kです」
「分かった。じゃあさっそく名前を入れてくるね」
「あ、店長待った。・・・・・・もしかしてさ、これって金色もあったりする?」
あるよと答える店長。
なら金と銀のペアにしてくれと頼む。
こいつらにはきっとそれがぴったりだろうからなと付け足せば、いいお兄ちゃんだねとヒビキの頭を撫でた。
了解と店の奥に消えていく店長。
しばらく金属を削る音が聞こえ、やむと同時に店長が奥から出てくる。
「はいどうぞ」
「・・・・わぁー、綺麗・・・・・」
「それは良かった」
「あー、いくら?」
「二つで一万五百円だよ」
「ほら、ヒビキ」
「あ、はい。ありがとうございました!」
会計をすませて、店をでる。
紙袋に入れてもらったネックレスを見ては、嬉しそうにヒビキは微笑む。
さて、これで俺の役目は終了。
もう帰ってもいいよな?
「じゃ、上手くいくことを願ってるぜ!」
「うん、ありがとう、ゴールド君。えっと、次はサッカー場の試合見に行くんだよね?いいなー」
・・・・・はぁ?
今なんて?
なんか今サッカーの試合がどうとか・・・・。
たしかに今日はコガネVSタマムシっつー大物カードがあるけどよ、チケットとれなかったんだよ!!
そんな俺に対する嫌味なのか!?
「あ、シルバーさん。お迎えですか?よくここが分かりましたね」
「・・・・・・なっ、んでシルバーが・・・・・!」
「・・・・・・俺だって来たくは無かった、が、色々あってな」
色々ってなんだよ!
そう聞く前に手を取られ、無理やり引っ張られる。
笑顔で見送るヒビキに一言、
「ハートにはちゃんと行ったと伝えてくれ」
といい、そのまま歩き出す。
なんだよこれ!?
訳わかんねー!!
・・・・つーか、やっぱり犯人はハートかよ!
こうして、俺の日曜日は狂っていくのであった。
(最悪だ!!)
END
後書き
ふー・・・・・・、相変わらずやっちまった感がまんさいの話だぜ!
言われてないのに勝手にシルゴ、ライ主♂にしてしまって申し訳ありません!
でも、なんか楽しかったんだぜ☆
あ、書き直し、苦情受け付けますよー!
勿論リクエスt・・・・・、げふん。
なんでもないデス。
そうそう、ちなみにこの話、お題の二枚だけのチケットと微妙につながっているんですよ。
そっちも見てね!(・・・・え?いや?やっぱり?)
では、またよろしくお願いします!
そしてこんな駄目文でごめんなさい!