『理由ならあるさ』


グリーンはもてる。
それは分かりきってたことだけど、こうも毎年多くのチョコを貰う場面を見ると、不機嫌にもなるわけで。
無駄に喧嘩とかをしてみちゃう今日この頃。
明らかに俺が悪いんだけど、謝るのは嫌。
だってあんなにチョコ貰うからいけないんだ!
レッドさんは寂しがりなんですよー。
もう少しそういうとこ分かってくれなきゃ。


「だからってなんで俺の部屋に来るですか!」

「いやだな〜、ゴールド君。それは君がお人よしだからだよ」

「はっきり言わないで下さい!」


叫ぶ可愛い後輩の後ろには、不機嫌そうな後輩君が一人。
やれやれ、そんな独占欲丸出しにしなくてもさ。
せっかくのバレンタインデーに邪魔するのは良くないと思ってるよ?
でも後輩だけが幸せなんてむかつくじゃん。
二人であま〜い一日を過ごすところ悪いけど、邪魔させてもらうよ。
だって俺一人とか寂しいもん。
可愛い後輩をからかえば、少しは気がまぎれるかなって。


「はー、なんでって言ったからはっきり言ったのに。・・・あ、そういえばゴールドは、シルバーにチョコあげたの?」

「な・・!」


とたんに顔を赤くさせる後輩。
わー、初々しい〜。
この様子だとこれからって感じだな。
シルバーも涼しい顔をしているし、まるでもらえることが当たり前みたいな・・・。
あーあ、いいよな〜。
黙っててもチョコもらえるなんて。
いっつもこっちばっかりがあげててさ、本当に好きかどうかわかんないんだもん。
嫌になっちゃいますって!
どんなに俺がグリーンを大好きでもね、時には疑っちゃうわけですよ。
ひょっとして俺だけ、なんてね。


「何言ってんスか!」

「ゴールドは、シルバーがチョコ貰ってもむかつかない?」

「はあ!?また唐突に・・・・」


そう、俺って自分勝手なの。
だからゴールド君も、どうか俺の暇つぶしと憂さ晴らしに付き合ってよ。
レッドさんはそういうことすっごく気になるんだよ。
なのに君は気にならないの?
気にならないんだったらその方法教えて欲しいな。


「むかつくかないって、そりゃむかつきますよ」

「・・・え」


予想外に素直な答えに、少しびっくりする。
何?デレ期?
ついにゴールド君も観念した?
いや〜、とするとこれからは二人のラブラブっぷりが見られるなぁ。
ちょっと楽しみだったり。
でもちょっとむかつく。


「生意気だな〜」

「そう生意気なんスよ!俺より多くのチョコ貰いやがって・・・」

「へ?」


あー・・・・、そういうこと、ね。
ゴールド君は要するに、嫉妬を勝負に変えることによってむかつきを別のものにしていると。
勝てば勝ったで嬉しいし、ということ?
いや〜、なかなかやりますな〜。
そういう手もあったか。
でもこれはきっと俺たちには使えないだろうな〜。
シルバーとゴールドだからこそ使える!というやつか。


「今年こそは勝つ!って意気込んでたんスけど、また負けちゃいました・・」


ず〜んと落ち込む後輩の頭を撫でてやる。
すると気持ちよさそうに目を細めた。
ゴーは体全体で気持ちを表現するタイプだよな。
悪く言えば単純、よく言えば素直。
それなのにシルバーときたら・・・。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


う〜ん、なに考えているか読めない。
でもたぶん怒っているんだよな?
うん、怒っているんだよね。
まいったな〜、こうもいい反応をしてくれると、つい悪戯したくなっちゃう。


「ゴールド」

「はい?」


顔を上げた後輩のほっぺに軽くキスをして、立ち上がった。
なんとなく気持ちも落ち着いたし、そろそろグリーンに会いに行きますか。
ドアを開けて、呆然としている後輩達に一言。


「じゃあ、俺帰るから。ゴー、ありがと」


そして扉を閉めた。
数秒後、叫び声と殴り合いの音が聞こえてくる。
あはははは、少しいい気味。
でも、あの二人のことだから、すぐになんとかしちゃうんだろうなぁ。
ちょっと悔しい。
めったに喧嘩なんてしないから、こっちは少し時間がかかりそうですよ。
生徒会室に居るだろうグリーンに会いに、足をすすめる。


「グリーン?」


扉を開ければ書類を整理しているグリーンが目に入った。
こちらを少し見て、またすぐ書類に目を移す。
わーお、少しいらっとしちゃいましたよ。
何もそんなに怒らなくたってさ。


「・・・まだ怒ってるの?・・・・確かに俺も悪かったけど、グリーンが」
「怒ってはいない」


そういわれて、思わずきょとんとしてしまう。
手を止めこちらをみるグリーン。
意地悪そうに微笑み、チョコレートはくれるのかと聞いた。
一瞬あげないどこうかとも思ったが、せっかく用意したのであげることにする。
ぽいっと放り投げ、そっぽを向いた。


「あーあ、いつも俺ばっかり・・・。グリーンはモテモテだし」


不満そうにそういえば、またくすっと笑われてしまった。
なんだよ、そんなにおかしいですか。
悪かったな。嫉妬なんかしてさ。
でも嫌なもんは嫌なんだ。


「全く、何故俺がチョコをあげないのか考えたこと無いのか?」

「・・・・・理由なんてあったのか?」

「あるさ。・・・・・・・・・嫉妬する、お前が可愛いからな、なあ、レッド?」


その言葉に俺が顔を赤くさせたのは言うまでも無い。
全く。この迷惑彼氏め!





END


後書き
お題七発目です!
このお題シリーズ、お持ちかえり可能のフリー小説ですので!
お好きなのをどうぞ。
勿論全部でもいっ・・・・・・・・、こほん、失礼しました。
あ、このお題を持ち帰るときについての注意点なのですが、このお題はお題屋さんから借りたもの
なので、お題の二次配布はしないでね!勿論小説も!
そして自作発言禁止!
あと文だけ持ち帰ってね♪
ここに直接飛ぶようにしないでね♪
それでは、引き続きお題をお楽しみください。
*持ち帰る人は一言ください!