『ライバル君のバトル事情』
今日珍しくあいつから連絡があった。
最近は全く音沙汰が無く、とても心配していた。
おもいきってこちらからかけようかと思ったくらいに。
でも今日いきなりポケギアに電話がかかってきて、かなりびっくりした。
その反面安心している俺もいて、恥ずかしくなった。
あいつ、ヒビキに会ってから俺も随分変わったと思う。
最初会ったときは俺の圧勝で、負けたあいつは悔しそうに泣いていたのを覚えている。
それからなんどかちょくちょく会うたびに、あいつは強くなっていった。
いつの間にか俺のほうが負ける回数が多くなって、悔しかった。
その時初めて気づいたんだ。
これが負けるって事で、俺とあいつはライバルで、そして自分がとてつもなくポケモンが大好きだったことに。
それを教えてくれたのは紛れも無くヒビキで、その時から俺はアイツが何よりも大切になった。
自分の持っているポケモンたちと同じくらい、俺なんかよりもっともっと。
だからあいつが泣くと悲しいし、あいつが喜ぶと嬉しい。
本当に最近は元気が無くて、俺も悲しかった。
なんとかして慰めたかったけど、俺にそんな事が出来るわけなくて・・・・・。
この感情の足りない言葉で伝えたって、きっとヒビキは喜んでくれない。
それどころか、配慮の足りない俺の言葉のせいで余計傷つくのが目に見えている。
それでもなんとかしたくて、ヒビキの幼なじみという人にも相談した。
ウツギ博士にも相談した。
そしたら二人は笑って、
『貴方がヒビキ君の傍で、おもいっきり笑ってれば大丈夫』
『君が居ること、きっとそれだけでヒビキ君は喜んでくれるよ』
そういったんだ。
俺なんかには無理だと思った。
でも二人は俺を見て、とても優しい顔をしていたんだ。
その二人をみてたら、何もいえなかった。
どうすればいいのかも分からない。
でも、ただ伝えたくて。
俺もヒビキに、大丈夫だと伝えたくて。
今日おもいきって電話をかけてみようとした所で本人からの着信。
聞けばコガネシティの六階で待ってるというじゃないか。
何が目的なんだろうと少し考えたが、それよりも思いのほか元気そうなヒビキの声に安心して、早く会いたくなった。
分かったと返事だけして、クロバットにつかまりすぐコガネシティへと向かった。
「ヒビキ!」
「・・・・あ、カナデ。待ってたよ!」
俺の姿をみるなりすぐに嬉しそうにかけよってくるヒビキ。
この間会った時よりも元気そうで、ほっと安心する。
ヒビキはあんまり暇だからくじ引いてまってたと大量のきのみを俺に見せてくれる。
正直言ってそのきのみの量にびびったが、あえて何も言わなかった。
ヒビキは満足しているみたいだし、ここで何かいうとなんかやっかいなことになりそう。
「三十八回目でやっと一等が出たんだ。あれってなかなか当たらないね」
「へー・・・・、三十八回・・・・・」
確かここのくじは一回三百円だったはず。
それを三十八回やったということは・・・、300×38?
えーと、合計一万千八百円・・・・・って、高くないか!?
昔からひとつのことに熱中すると周りが見えなくなるところがあったが、まさかここまでとは・・・。
まあ、そこも含めて全部可愛いと思えるんだけどな。
一等が出るまでくじを引くヒビキ・・・・・、この目でみたかった。
てか三十八回やってボールが七回しか出なかったのか。
それもある意味才能だな。
「あ、べっ、別になかなか一等が出ないからむきになったとかじゃないからね!」
「・・・・・ああ、分かってるよ」
「きのみばっかりでて、ちょっと悔しかったとかもないんだからね!」
「・・・・・・・・・うん」
超可愛い。
おっと、間違えた。
超分かりやすい。
めっちゃ顔に書いてあるんですけど。
しかもほんのり頬が赤くなっていて可愛いんですけど。
やっぱりヒビキの可愛さはとどまるところを知らないな。
悪い虫がつかないよういつも見張っていたいところだが・・・、修行もしなくちゃいけないし。
う〜ん、悩みどころだ。
「・・・・・・とっ、とにかく!いこうか、カナデ!」
「えっ、あ、ああ・・・・・・」
ヒビキに腕を引かれコガネデパートを出る。
そのまま何処かへ行こうとしてしまうので足を止めて何処へいくのかと聞いた。
すると笑顔でバトルしにいくと答えるので、若干冷や汗が流れた。
ヒビキとバトル・・?
いや、嬉しいけども、嬉しいけども!
俺毎回負けるし、まだ修行終わってないし。
それに最近バトルするとヒビキ悲しそうだからな。
あんまりしたくないんだよな・・・・・。
なのに自分から言い出すということは、自分の中で何か決着したのか?
「ヒビキ、バトルは辞めないか?」
「え・・・・、どうして?」
うっ、何この罪悪感!
めっちゃ涙目なんですけど。
そんなに俺とバトルしたかったのか?
「だって、お前最近バトルしても楽しくなさそうだし・・・・」
「・・・・・・カナデ、気づいてたの?」
「ばっ、別に、気づいてたわけじゃ・・・・」
「・・・・嬉しい」
「〜〜〜〜〜っ、笑うな!」
ちょっとしたことなのにあまりにもヒビキが嬉しそうに笑うからついそっけない態度になってしまう。
本当は笑ってくれて嬉しかったくせに・・・・。
素直にいえない俺って、かなりのヘタレ?
いっ、いや、そんな事は無いはず・・・・・。
何故なら俺はヘタレじゃなくてツンデ・・・・、なんでもない。
「心配してくれてありがとう。でも、そのことはもういいんだ。ちょっとある人に相談に乗ってもらってすっかり解決して・・・」
「・・・・・ある人?」
「そう、とっても明るくて、優しい人なの」
ヒビキに俺以外の友達が!?
いっ、いや別におかしくは無いけどなんか、なんか、
裏切られた気分・・・・・。
そういうことは真っ先に俺に報告、してくれるわけ無いか。以外に抜けてるし。
だが!俺よりさきに相談するとはどういうことだ!?
まさかそんなにその人と仲がいいのか!?
だとしたらすぐに排除しなくては。
ヒビキと俺の恋愛道をおびやかすものは全て排除だ。
たとえそれが慣れ親しんだ幼なじみだとしても・・・。
「ゴールド君って言って、凄く強引なんだけど何か暖かくて、すぐ友達になっちゃった。今度カナデにも・・・・、あれ?どっ、どうしたの?」
さすがに俺の変化に気づいたのか心配そうに俺の顔を覗き込んでくるヒビキ。
安心しろ、俺はいたって正常だから。
そしてそのゴールドとかいう男を排除に・・・・。
「なっ、なんか、危ないこと考えてる?駄目だよ!もう犯罪とかしちゃ!」
「ヒビキ・・・・」
うっわ〜!ナニコレ!?
めっちゃヒビキが可愛いんですけど!
駄目だよとか、ヒビキはそんなに俺のこと思って・・・・。
・・・・そうだよな。他に男が出来ようが関係ない!
だってヒビキが一番好きなのは俺ということに変わりは無いのだから!
「僕そんな事したらカナデのこと嫌いになっちゃうからね!」
「安心しろ。そんなことはしない」
「そう?良かった〜・・・・、あ、それで話の続きなんだけど」
そういってどんどんその『ゴールド』とかいう人物について話してくれるヒビキ。
最初は余裕で聞いていた俺だが、話しが進んでいくにつれてだんだん不安になってくる。
聞いたところによると、ヒビキはゴールドという男をだいぶ尊敬しているようだし。
最近では頻繁にバトルもしているらしい。
ちょっ、俺とはもう半年以上もバトルをしていないというのに。
なんで他の男なんかと・・・・・・・。
絶対俺のほうが強いに決まってるのに!
くそっ、こうなったら!
「それでね、その時思ったんだ。僕のライバルは、やっぱりカナ・・・・って、聞いてる?」
「ヒビキ!バトルするぞ!」
「えっ?あ、うん、いい、よ?」
ヒビキの話を遮って腕を引っ張り歩き出す。
こうなったらとことん俺とバトルさせてそのゴールドという男よりどんなにいいか再認識させてやる!
そうすればヒビキは俺にメロメロに・・・・・。
ん?ヒビキの話はもう聞かなくていいのかって?
いいよ!だってなんか思ったより元気そうだし、他の男の話するし。
なんか大事なこといいかけていたようなきもするが今はそんなことよりバトルだバトル!
いざ参る!
「やるぞぉぉぉぉぉ!!!!!!」
結果、勿論俺の惨敗で終わった。
END
後書き
やっと書き上げました!
いや〜、お待たせしてすみません!
でも出来は・・・・・、よくないですね。
特に後半がかわいそうなことに・・・・。
え、誰がってそりゃ・・・・・。
コホン・・・・。
とにかく、リクエストありがとうございました!
書き直し、苦情じゃんじゃん受付いたしますので!
今回は初のカナデ目線だったのですが、残念な結果に・・・・・。
やっぱり彼は書きなれませんね〜・・・・。
でも、まあ、とりあえず、ギャグな感じに書けたので満足です!
面白いかどうかは全く自信がありませんが。
それでは、次の作品に取り掛からなければならないのでこの辺で・・・・。
ありがとうございました!