「シルバー先輩ー!ちょっと用事が・・・・って、居ないのか」
ある日の放課後、俺はシルバー先輩に用があったので部屋を訪れた。
しかし本人は留守のよう。
同室者のゴールド先輩も居ないし、二人で何処かに出かけているのだろうか。
それともクリスタル先輩の説教だろうか。
せっかく鍵がかかっていたドアをぶち壊してきたのに、留守とは残念だ。
・・・・・・・・・・・・・ん?
普通鍵がかかっていたら諦めるんじゃないかって?
あっははー、そんな常識受け付けませーん!
鍵?何それなレベルですから。
「仕方が無い、出直すか・・・・・」
そう思い部屋を出て行こうとしたが、ふと机の上に何かあることに気づく。
これは・・・・・・・・・・・・。
『二枚だけのチケット』
随分不釣合いなものだなーと思いつつ、内容をしっかり確認する。
サッカー決勝戦、コガネVSタマムシ・・・・・・って、これ今有名なプロチーム同士の試合じゃないか!
入手困難だというのに、いつの間にゲットしたのだろうか。
まあ、俺には関係ない話だけど。
・・・・・・・・でも、サッカー、ねぇ。
なーんかシルバー先輩の趣味とは思えないけど。
じゃあゴールド先輩?
いや違う。
この間ソウルが、『なんかゴールド先輩、コガネVSタマムシの試合のチケット手に入れられなかったんだって。
おかげで一時間も愚痴聞かされたよ』と言っていた。
おそらくこれのことだろう。
とういうことは、やっぱりこれはシルバー先輩のものということに。
あの人もサッカーとか興味あったんだなー。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ふと頭によぎった考え、しかしそれはないかと思いなおす。
とにかくシルバー先輩が居ないならようはないし、さっさと見つからないうちに帰ってしまおう。
さすがにドアのことを言われたら面倒だしね。
・・・・・ん?自覚あったんだって?
勿論。
だってわざとやったし・・・・・・・、あ。
「何をしている」
「・・・・・・・・こんにちはー、シルバー先輩。お元気ですか?」
あーあ、どうしてこうもタイミングよく帰ってきちゃうかなー。
俺困っちゃう☆
・・・・・・なんてね。
そんなことあるはずがないけど。
別にめんどくさいだけで困ることはありゃしない。
「・・・・・・・・・・・」
「ちょっとは答えてくださいよ。・・・・ところで、ゴールド先輩はまだ学校ですか?」
どうやら彼は一人で帰ってきたみたいだ。
ゴールド先輩の名をだすと、少しだが不機嫌になったのが分かる。
なるほど・・・・・・、そういうことか。
喧嘩するほどなんとやらってやつだといいんだけどね。
「・・・・・・睨まないで下さいよ。俺はもう帰りますから。・・・・・あ、そうだ。シルバー先輩って、
意外にサッカーとか興味あったんですね」
そういえば少し戸惑った顔。
チラッと机の上のチケットを見て、どこか落ち着き無く俺を見る。
その瞬間俺の中で除外されたさっきの考えが再びもどってきた。
それはないと思ったが、シルバー先輩のこの反応。
もしかして本当にそうなのか?
だとしたら明日は雨・・・、いや、雷が降るんじゃないだろうか。
だってまさかこの人が・・・・、でも、ソウルにでさえ愚痴をこぼすぐらいだ。
若干八つ当たり気味に愚痴をこぼされていても不思議じゃない。
そしてわざわざこのチケットを?
ありえない。
けど、そのありえないことがおきるからこの世界は面白い。
これだから人間はやめられない!
見てるぶんには十分俺を楽しましてくれる。
子供がさらわれた?へー、そういうことってやっぱりあるんだね。
犯人は自分の友達だった?そんなもんさ、人間なんて。
予想外のことがおきるからこそ、世界は回り続けるんだろう?
ああっ!なんて奇妙で、なんて最高の世界なんだ!
「ふふ、ははっ、あーははっ!!」
「なっ、なんだ」
「いや失礼、ついおかしくてね。ふっ、そうですか。わざわざゴールド先輩のために・・・。
シルバー先輩もなかなか可愛いところあるじゃないですか」
そういったとたん、シルバー先輩の表情は面白いほど変化する。
否定しようと音をだすが、残念。
それは言葉にはならない。
しばらくしてやっと落ち着いたのか、なんとか否定の言葉を出すと、俺から目をそらした。
「一人で、一人で行こうとしてたんだ!」
「へぇー、一人で行くのにわざわざ二枚買ったんですか?」
「!」
反論しても無駄だよ。
相手が悪すぎる。
今の俺は、誰にも負ける気がしない。
例えそれが神だろうと、今この最高に気分が高まった状態なら、ほぼ100%勝てるだろう。
シルバー先輩なんてめじゃないね。
何もしなければ、こっちも何もしませんから、そのまま黙っててくれますか?
「ほーんと、面白い人ですね。シルバー先輩」
まあそれは貴方だけには限らないんだけど。
心の中でそういって、俺の周りに居る人々を思い浮かべる。
全部、全部、俺を心の底から震え上がらしてくれるんだ。
楽しくって仕方が無いよ。
確かにかなりむかつくときや、嫌なときもある。
それを差し引いても、今この状況を楽しいと、俺は言い切ることができるだろう。
「今度の日曜日ですよね?いいですね、ブルー先輩から貰ったんですか?・・・・・ふふ、そんなに睨まないで下さいってば」
じゃなきゃ俺、なんだか自分で自分を抑えきれなくなっちゃいそう。
ぺろりと舌なめずりをして、一歩前へ足を踏み出した。
びくっとシルバー先輩の体が震えたのが分かる。
やめてくださいよ、それ以上俺を、あおらないで下さい。
「いい事を教えてあげましょう。スポーツ観戦の後は、喫茶店とかに行くと盛り上がりますよ♪」
ふと思い出すことがあって、右ポケットに手を突っ込む。
その俺の一つ一つの行動を、シルバー先輩が観察しているのが嫌というほど伝わってきた。
ばれないようにまた舌なめずりをして、ポケットから二枚の紙を出す。
「本当はソウルと行こうと思ってたんですけど・・・、貴方にあげます。きっと彼は、こういうのが好きでしょう」
差し出したのはケーキバイキングの無料券。
ソウルがこの店に行きたがっていたから裏ルートから入手したんだけど、おもいのほか違うところで役立ってよかった。
人気の店だから、本当は並ばなきゃこの券買えないんですよ?
しかも手に入ってもいけるのは最低一ヵ月後というほどの人気店。
感謝してくださいね?
「それでは、俺は失礼します」
壊れた入り口をくぐって、廊下をてくてくと歩いていく。
部屋までの道でゴールド先輩にすれ違い、良かったですねと一言。
彼は訳のわからないというような顔していたけど、俺がわかれば十分。
「あ、そういえば用事済ませるの忘れた」
一瞬戻ろうかとも考えたけど、いいや。
今日は充分すぎるほど楽しんだし。
さて、ソウルになんて言い訳しようかな〜。
おそらく怒るだろう彼のことを想像して、俺はまた笑みをこぼすのだった。
END
後書き
ノリとテンションだけで書き上げた作品です!
当初はもっとまともなものになるはずだったんですが、なんか書いているうちに変な方向に。
私的にはハート君の性格をしっかり書けたので満足です!
・・・・・・うん、やっちゃった感がめちゃくちゃある作品だけど、書き直しはしません!
きっとシルバー達はちゃんと日曜日でかけたんだろうなぁ・・・(遠い目)
はぁー、それでは、ちょっとここで今日の一言を。
『モッツァレラさんが素敵過ぎるんじゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!イケメンボイスゥゥゥゥゥゥ!!!!!』
・・・・・はい、以上です。
え?モッツァレラさんって誰だって?
えーと、まあ、知っている人は知っていると思います。
もし知っていたらぜひ管理人とお友達になt・・・・・、ぐはぁっ!!(自重)
それでは、失礼させていただきます。
(もしこれをモッツァレラさんが見ていたら恥ずかしいな〜)