『此処から飛んでみせようか』
青い空のした、どこまでも飛んでいけたらいいと思う。
そうしたら俺は自由になれるから。
青い空のした、どこまでも高く飛べたらいいと思う。
そうしたら俺は何にも縛られなくて済む。
何にって?
さあな、そんなの、俺の知ったことじゃねーよ。
神様にでも聞いてみれば?
このくだらない感情の意味とかをよ。
「さすが馬鹿だな。鳥にでもなれると思っているのか」
「うるせーよ。だから飛べたらいいと思うっていったじゃねーか。よく聞けよこの根暗め」
「ぶっ飛ばされるのがお望みか?空も飛べるかもしれないぞ」
「全力で拒否させていただきまーす。飛ぶんなら一人で飛ぶぜ」
くだらない言い合いなどもう慣れてしまった。
そりゃ毎日同じことをやっていれば飽きるわけで。
そういうのも含めて全てを空に持っていけたらいいと思う。
思い出とか、感情とか、すべて、スベテ。
そうしたら俺は世界一幸せな人間になれる。
・・・・・あ、やっぱシルバーちゃんが死ななきゃ駄目かも。
生きてることが気になって飛ぶどころじゃないぜ。
「・・・・・・・喧嘩を売られている気がするのは気のせいか?」
「さあな、売ったかもしれないし、売ってないかもしれないし。どっちにしろ、人の心なんて読めるわけねーだろ」
じゃなきゃ俺が此処に居る理由だとか、今考えていることとかが筒抜けになってしまう。
よく人の心が読めればいいなんていうが、そういうことを言うやつの気のほうがしれない。
だって四六時中人の心が聞こえるんだぜ?
醜い考えとか、感情とか。
そんなもん疲れちまうよ。
世の中には知らない方がいいこともあるの!
少なくとも俺はそう思うね。
誰が自分の事嫌っていて、好いているとか、気にするだけ無駄!
そんなもんやらしときゃいいじゃん。
お疲れさまって感じ。
ただよ、そんな俺でも、ある奴の心の中が読めればいいと思っているあたり、相当馬鹿なのかも。
気づかないふりしていたって、気になるもんは気になる。
考えるより行動ってのが俺のポリシーなんだけど、このことばかりはそうもいかねー。
だって、それに気づいてしまった時点で、俺は俺じゃなくなってしまうからよ。
恋とか愛とかくだらない感情に縛られるつもりはねー。
ねーんだけど、もう手遅れかもしれない。
だから気づきたくは無い。
俺を縛れるのは俺自身だけ!
どんな感情だろうと俺の領域に入ってくることはかなわないの!
だからさっさと消えてしまえ!
「・・・・・顔が赤いぞ?」
「・・・っ、うるせぇー・・・・」
なんて願いが届くはずもなく、どくどくと脈打つ心臓。
ああ、イライラする。
何にって、涼しい顔しているこいつとか。
どうしようもなくドキドキしている俺とか。
全部、全部、むかつく。
消え去ってしまえばいいんだよっ!
「あー!!イライラする!だいたいシルバーがいるからいけねーんだ!!」
「唐突だな」
「うるせぇ!!お前なんか消えてしまえばいいんだ!!」
そうすれば、こんなにイライラすることもなくなるだろう。
シルバーが消えるだけで、俺は幸せになれる。
だけど、シルバーが居ない世界がはたして幸せなのか?
分からない、分からない。
分からねぇんだよっ!!
「全て空に消えてしまえばいいんだっ!!」
大声で叫んでも、消えはしない。
くつりと隣で笑う音がした。
きっと睨みつければ、よりいっそう笑みを深くして、屋上のふちまで歩いていく。
それを無言で見ていれば、くるりとこちらを振り向き、両手を広げてこう言った。
「俺が消えればいいのだろう?なんなら此処から飛んでみせようか」
そうすれば俺は消えるだろう。
頭の中にその声が響いて、知らず知らずのうちに体が動いていた。
奴を引っ張って、屋上の中央まで乱暴につれてくる。
襟を掴んで至近距離で睨みつければ、またあの笑みがこぼれた。
むかつく、なににって、こいつに。
そして俺に。
掴んでいたはずの手はいつの間にかはずれ、シルバーに握られていた。
視線をはずし顔が見えないようにする。
ああどうして、こんなにも泣きたくなるのだろう。
俺はこんなに弱くなかったのに。
「恋だの愛だの、そんなもん、さっさと無くなっちまえばいい。どうせ、どうせ叶わない恋なんて、つらいだけだっ!!」
目からこぼれるしずく。
いつの間にか、抱きしめられていた。
奴の心音が間近で聞こえ、こんなときなのにドキドキした。
「お前は馬鹿だな。どうせ消すことなど出来ないくせに」
「うるせー・・・」
「まあ、精々頑張ることだな。もしかしたら消えるかもしれないぞ」
「・・・・・・・・もともと、こんな感情なんてなかったんですぅー。それでいいだろ!」
やけくそにそう叫んで、振り払った。
どうせまたあのむかつく笑みがあるんだろうと顔を上げたが、違った。
そこにはなんだか困ったように笑うシルバーが居て、ズキッと心臓が痛んだ。
なんなんだよ、一体・・・。
「・・・・・・なんだよ、なんなんだよその顔・・・・・」
「・・・つまり、馬鹿はお前だけじゃないということさ。さっさと、こんな感情なんて消えてしまえばいいのにな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
最後のシルバーの言葉に、何故頷くことが出来なかったかなんて、俺のしったこっちゃねーよ!!
END
後書き
お題一発目です!
このお題シリーズ、お持ちかえり可能のフリー小説ですので!
お好きなのをどうぞ。
勿論全部でもいっ・・・・・・・・、こほん、失礼しました。
あ、このお題を持ち帰るときについての注意点なのですが、このお題はお題屋さんから借りたもの
なので、お題の二次配布はしないでね!勿論小説も!
そして自作発言禁止!
あと文だけ持ち帰ってね♪
ここに直接飛ぶようにしないでね♪
それでは、引き続きお題をお楽しみください。
*持ち帰る人は一言ください!