『これは秘密』


「なにやってんだ?ハート」
「しー・・・・」

ある日の放課後、ハートが珍しく物陰から何かを覗いているようなので声をかければ、
口に手を当て静かにして、と俺に告げた。
俺はその隣に腰を降ろし、ハートを同じようにこそっと、そこから見える風景を伺った。
するとよく知る先輩が二人。
やけに距離が近くて、ゴールド先輩の顔が赤い。
一体何をやっているのだろうか。
あんなに仲良しなところをみるのははじめてだぞ?


「あの二人、どうしたんだ?」
「う〜ん、ちょっとね」

ハートに聞けば何か知っているよう。
しかし覗くのに夢中で、答えは教えてもらえなかった。
仕方なく観察を続けることにし、二人をみる。
すると今度はなんとシルバー先輩がゴールド先輩をおぶったではないか!
いや〜、本当に何があったんだ?


「・・・・・・ふう、まあ、偶然の災害って所かな」

二人が立ち去ったのを確認して、ハートは立ち上がった。
俺もそれに合わせて立ちあがると、疲れたように背伸びをするハートをじっと見つめる。
その視線に気づいたのか、彼は溜息をつくちょいちょいっと俺を手招きした。

「ちょっとアクシデントがあったんだよ。たまたま俺の投げたボールがゴールド先輩にぶつかっちゃってさ、
見事に転んだわけ。助け起こそうとしたら向こうのほうからシルバー先輩が来るだろ?つい隠れちゃった。
まあ、結果的に良かったみたいだし、大目にみてくれるよな?」

悪戯成功というように、ふふっと笑う彼。
俺もつられて笑うと、でもゴールド先輩のことだからばれたらきっと怒ると思うぞ、と言った。
すると少しハートは考え、にこっと笑い、今度はこう言った。

「じゃあ、これは秘密ってことで。俺らだけの」
「・・・・・いいな、それ」

今度は二人で笑いあって、ひそかに指切りをした。



END

ハートとソウル