『二人の距離』

比較的穏やかな時が流れるこの時間、何故か俺は生徒会室に拘束されていた。
理由なんて分かりゃしねぇ。
そんなもん、俺に聞くより、今この目の前に居る人たちに聞いたほうがよっぽど適切な答えをもらえると思うぜ。


「ねぇゴールド。貴方いい加減はっきりさせなさいよ」

「・・・・・・何をっスか?」


いきなりブルー先輩がそう口を開き、聞き返せば今度はレッド先輩にもう一度同じ事を言われてしまう。
終いには普段は大人しいグリーン先輩やクリスにまで同じ事を言われてしまい、なんのことだかととぼけてみた。
あんた達の言いたいことなんて俺には分かりはしませんよ。
第一、そういうことって考えるだけ無駄じゃありませんか?
相手の考えていることなんて分かるはずが無い。
なのになんの説明もなしに質問に答えろなんて、随分無茶な話じゃないですか。
まあ、なんの質問か分かっていても答えないだろうということはおいといてよ。


「嘘をつくのは泥棒の始まりだよ?」


今までずっと黙っていたイエロー先輩がそういい、それを受けてクリスがさらに俺に問い詰める。
だから訳が分からないって言ってるじゃないッスか!
こちらと屋上で気持ちよく昼寝しているところを強制連行されてきたんスよ。
いつもだったらクリスも怒るくせに、今日に限って怒らないんだから調子がくるってしまう。
ああ、やっぱりなれないことはするもんじゃねーなと思う反面、されるもんでもねーと思った。


「嘘なんかついてませんって。・・・・・・もう帰っていいッスか?」


「「「「駄目」」」」


声を揃えてそういわれてしまえば、俺に逃げ出すことなんて出来やしない。
仕方なくまたソファーにつけば、最初の台詞へと戻る。
さっきからこの繰り返し。
いい加減飽き飽きしてきたぜ。
・・・・・でも、そろそろあいつがくるころだろ。
そうすりゃーこのくだらない時間はすぐに終わる。
屋上なんかで寝てないでよ、さっさと此処にこいよな!


コンコン


控えめにノックされたドア音。
どうぞ、ブルー先輩がいい、静かにドアが開く。
俺はその時点で帰りの用意をはじめ、ソファーを立った。
何か言われるかとも思ったが、何も言われなかった。
逆に不気味だな。
ばれないように笑って、わざわざ生徒会室まで迎えにきてくれた同室者君に歩み寄った。 馬鹿がといわれてしまい、へらりと笑って見せる。
これはお前の大好きな姉ちゃんのせいなんだけどな。
昼寝している俺を連行するなんてひどいとおもわねぇ?
まっ、そんな事言っても、無視されることはめにみえているから言わねーけど。


「迷惑をかけた。こいつは俺が連れて帰る」


迷惑をかけられたのは俺ですよー。
不満そうに口を尖らせてみたが、案の定気づきはしない。
俺のその微妙な不機嫌さに気づいたのはクリスくらいなもので、やっぱり持つべものは幼なじみだなと思った。
こいつとは四六時中一緒に居るというのに、もうあまり会うことの無くなった幼なじみのほうが俺をよく分かってるんだぜ?
やってられねーよ。
だから、俺はあんたらの考えを受け入れねーの。


「行くぞ」

「引っ張るなっつーの」


そのまま生徒会室を出て、寮へと戻るために外に。
早いものでもう夕日が沈んでいる。
えーと、確か俺がここに連れてこられたのは太陽が南にあるときだったような・・・・。
てことは軽く五時間はあそこにいたってことか?
俺すげー。
誰か褒めてほしいぐらいだぜ!
つっても、今此処には冷徹な同室者君くらいしかいないわけだが。


「あーあ、一日がつぶれちまったぜ」

「それは俺も同じだ」

「何?もしかして探してくれちゃったりしたわけ?ありがとー、シルバーちゃん。大好きだぜ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか」


何その微妙な間。
気持ち悪いってか?
だとしたらこれ以上幸福なことはないね。
俺の幸福はお前の不幸ですから!・・・・・・・・・なんてな。
んなわけねーけど。
でも、もし俺を気持ち悪いというのなら、そりゃお前終わってるぜ。
だってシルバーちゃんは本当は俺のこと大好きだもんな。
大好きだけど、世間の目がこえーんだろ。
俺も同じ。
お前とならおちてもいいとさえ思うけど、いつか嫌になっちまうんじゃないかって思うとよ、どうしようもできない。
認めることも辛ければ、認めないことも辛い。
そんな恋って、ありますかねー。


「・・・・・お、一番星」

「馬鹿だな。他にも星があるだろう」

「いーんだよ。一番星でさ。自分がそう思えば、ドベだって一番なんだよ」


ああ、でもやっぱり、一番こえーのは、お前に嫌われることなのかもしれない。
口にだして、拒絶されたらどうする?
そうしたらもう生きていけない。
俺も、お前も。
だから言わないほうがいい。
言わないほうが幸せでいれる。
でも、言わなければ本当の幸せは手にはいらない。
なんて微妙な距離。


「一番星に三回願いを言えば、叶うんだぜ?」

「それは流れ星だろう」


そーかもしれねぇ。
そう呟いて、こっそり心の中でお願いをした。
どうか、ずっとこの距離が続きますように。
そして、早くこの距離が終わりますように。


矛盾した願いは、きっと星には届かない。










END







後書き
ふしゅー・・・・・・。
やる気、三十パーセントぐらいのときに書き上げたものです。
だからところどころやる気の無さが。
えー、一応お題の距離にそって書いたつもりですが、なんか途中からずれましたね。
いや、途中からといわず最初から!(どんっ!)
まあ、気が向いたら書き直そうかなー。
つーかこれでお題何作目?
・・・・・・19か?
・・・・まだ2/10しかかけてない・・・・。
先は長いな〜。
完成には軽く一年かかりそうですよ。