「・・・・・・どうしたんだ?ゴールド」

「なんでもないッス。気にしないで下さい」


そういうと彼はまた泣きそうな顔で窓を見る。
その視線の先には一体何が見えているのだろうか。
青い空?白い雲?それとも、意中の彼?
冗談めかしてそう聞けば、ゴールドは面白いくらい顔を赤くして反論してくる。
ほんと、可愛いんだから。


「冗談だよ冗談、第一、ここから見えるはずないもんな」


そういえば彼は思い出したようにまた泣きそうな顔をした。
あ、しまった。
この話は禁句だったかな?


「まあそう気にするなって。シルバーも、たまにはおもいっきり甘えたいんだろ?」

「別に気にしてなんかないッスよ!!」


そういうとぷいっと顔を背けてしまった。
つれないなー、せっかく相談にのってあげてるというのに。


「素直になったらいいのに。そしたら、俺とグリーンみたいになれるよ?」

「なりたくないッス」


そこだけはきっぱりと否定するゴールド。
お兄さんちょっと傷つくぞ〜。
そんな生意気なこというのはどの口かな?


「いたたた!ひょっと、ひっぱりゃないでくだしゃい!」

「何言ってるわかんな〜い」


ぐい〜と口を引っ張れば、痛そうにする後輩。
うん、今度の涙は悲しいからじゃないよな。
痛いからだよな。
一人心の中で納得する。
そんなことを思っていると、ゴールドが俺の手を払った。
痛いな〜、いつからそんな反抗的になったんだ?
お母さんはそんなふうに育てた覚えはないぞ!


「育てられた覚えもないッス」

「あれ?声になってた?」

「どうせわざとでしょう?」


あはは、やっぱりばれた〜?
そういって笑って見せれば、ため息をつくゴールド。
おいおい、ため息をつくと幸せが逃げるぞ?


「いいッスね、レッド先輩は幸せそうで」


どこか遠くを見てそういうゴールド。
何それ?自分は幸せじゃないって?
このっ!罰当たりなやつめ!
ちょっとむかついたからぽかっと頭を殴ってやった。
いたっ!と頭を押さえるゴールド。
うん、ちょっとすっきりしたかな。


「何するんスか!いきなり!」

「俺だっていつでも幸せなわけじゃないぜ?」

「・・・・へ」

「俺だってグリーンと喧嘩したし、くだらないことで寂しくなったりもしたけど、でも、それでもアイツがいてよかったって心から言えるんだ。だから幸せなんだよ。ゴールドは違うの?」

「お、れは・・・・」


不安そうに下に目を向けるゴールド。
そして消え入りそうな声でぽつりぽつりと話し始めた。


「俺、は、俺達は、あなた方みたいに、お互いを信頼することなんて出来ません。でも、それでも、俺にはシルバーが、シルバーには、俺が必要なんだと思います・・・」


随分ひねくれた答えだな〜。
でも、この二人にはそれがぴったりなような気もする。
ひねくれもの同士お幸せに!ってことかな?


「で、ゴールドはどうして泣きそうなんだ?」


頭を撫でながらそういえば、またまた泣きそうな顔をするゴールド。
う〜ん、お兄さんは素直な人が好きですよ〜。


「・・・・・・・本当は一緒にいたいんです」

「ようするに旅になんか行ってほしくなかったって?」

「・・・・・・・・・・はい」


なんだかなー、この二人は似ているくせにすれ違うよなー。
お互い素直じゃないからかな?


「あのなゴールド」


軽くゴールドの方を叩いて呼びかける。
するとゴールドは、濡れた瞳でこちらを見上げた。


「シルバーは、明日帰って来るそうだ」

「・・・・・・・・・え?」

「それで、帰ってきたらゴールドを誘いに行くから、旅の準備をしといてほしい、だって」

「・・・・・・・・・・・へ!?」

「まあようするに、今日ブルーと旅に行ったのはお別れ会みたいなものだよ。予行練習もふくんだな」

「それって・・・・・・・・」

「本命はお前ってこと」


かぁ〜と頬を染めるゴールド。
恥ずかしそうに笑いながら、俺から顔を背けた。
うんうん、やっぱりゴールドには笑顔が一番だな!


「すみませんレッド先輩!俺、すぐに帰って準備してきます!」

「おー、頑張れよー!」


そういって部屋から去る彼の顔はすごく嬉しそうだった。
やれやれ、幸せそうだなー。
さっきの不幸はどこにいったんだろ。
お兄さんにはよく分かりません。


「まあ、俺も負けないくらい幸せだけどね」


そう呟いた言葉は、グリーンに届いただろうか。




『本当は一緒に居たいんだ』



あとがき
書き直し第九弾!
といっても、特に新しい話もおもいつかなかったので、ちょっと文章の書き方を直しただけです。
大筋は何一つ変わっておりません。
まあ、普通、と言ったところでしょうか。
それにしても、なかなかかこの作品を読み直すのは、恥ずかしいです・・・・。
いっそのこと、全部処分しようか、なんて考えたり。
では!

2012年08月11日 管理人渚