シルバーには悩みがあった。
思春期ならではの、恋の悩みだ。
その恋のお相手は、同室者であるゴールドという男。
男だとかは関係なくて、いつの間にか好きになっていたのだ。
それを自覚してからは、苦しいやら心臓に悪いやらで、悩める毎日。
というのも、その恋のお相手、ゴールドは、最高に天然な男だからだ。


「あのさー、シルバーは好きな奴とかいねぇの?」

「は?」


昼放課のこと。
シルバーは屋上で昼ご飯を食べていた。
すると唐突に、一緒に昼ごはんを食べていたゴールドが、そんなことを聞いてきた。


「・・・・・な、なんで突然そんなことを聞くんだ?」

「や、なんか気になってよ。シルバーはもてるけど、誰とも付き合わねーなーって考えてたら、好きな奴でもいんのかなって」


冷静に答えながらも、シルバーは内心ヒヤッとしていた。
まさか自分の気持ちがばれたんじゃないかと。
けれども、ゴールドに限ってそんなことはなく、単に興味本位だったのか、呑気におにぎりなんてぱくついていた。
それにほっとする反面、どこか寂しくもあるシルバー。
本当に心臓に悪い毎日。
いっそのこと、思いを伝えられれば楽なのかもしれないが、もちろん告白する勇気なんて持ち合わせていない。
シルバーはこっそりため息をついた。


「いいなー、俺も一度で良いからそれぐらいもててみてーよ」

「代われるもんならいくらでも代わってやる」


いくら本当に好きな人以外にもてても、それはシルバーにとって何の意味も持たない。
むしろ代わることによって本当に好きな人、ゴールドが喜ぶのなら、代わってやりたいというのが本心。
女にもてるゴールドを見るのは、それはそれで複雑な気分なのだが、どういうことか、ゴールドはそれなりにもてているのに、一度もその告白を受けた事はなかった。
シルバーにとって、それは喜ばしいことなのかもしれないが。
本人の気持ちは至って複雑だった。
自分達の間で恋バナらしきものがされることは滅多にないし、大体いつもゲームやテレビ、学校生活についてのみ。
たまに思い出したように突然、本当になんの前ぶりもなくそういう話題がでるが、いつもされる会話は同じもの。
そう、決まっていつも同じ。
ゴールドは決まってシルバーに、こう聞くのだ。


「俺は十分もてるからいいの!それよりさ、シルバー、彼女できた?」


(またか・・・・)


シルバーは声には出さず、そう思った。
聞かれるのはコレが最初じゃなかった。
一ヶ月に一度、ゴールドは決まってそう聞くのだ。
あるときはテレビを見ているときに、あるときは勉強をしているときに。
なんの前触れも無くそう聞いてくる。
逆に今回のように、前触れがあって聞いてくるのは、初めてのことだった。


「いないに決まっているだろう」

「あー、やっぱり?だよなー」


居るとも思っていなかったのか、ゴールドはシルバーが言い終わるなり、そういった。
分かっているなら聞かなければいいのにと思うのがシルバーの心情。
もしろそういう自分こそどうなのかと、気になるところである。


「どーせだったらつくりゃいいのによ」

「ああ、そうだな。それもいいかもしれないな」

「・・・・・・・ぇ、マジで?」


相変わらずなゴールドに、シルバーは軽い気持ちでそう答えた。
いつもだったらゴールドも、冗談めかして頷くのに、今日は違った。
目を大きく見開いて、なんともいえない表情でシルバーを見てくる。
彼のそんな反応を見るのは初めてだったため、シルバーは驚いてしまった。


「・・・・・マジでつくんの?」


確認するように、ゴールドがもう一度そう聞いてきた。
その顔はどこか泣きそうで、シルバーは戸惑うばかり。
自分にとってはいつもどおりの返事をしたつもりだったのに、何かまずい事を言ってしまったのかと。
彼は返事に困った。
どう答えていいかわからず、黙るばかり。
しばらく沈黙が続いて、ふいにゴールドがシルバーから目をそらした。


「・・・・・・・・・・・・・わりぃ、俺が口出すことじゃねーよな」


沈黙を肯定と受け取ったのか、ゴールドは罰が悪そうにそういった。


「ぇ・・・・、ちっ、違う!」


思わず大声で否定してしまうシルバー。
ゴールドはそんなシルバーを驚いた顔でみつめ、呆然とする。
まるでこれでは、シルバーはゴールドに誤解されたくないように聞こえる。
シルバーは言ってからそのことに気が付き、慌てて言葉を探し出した。


「あ、いや、そうじゃなくて、俺にはまだ早いというか、その・・・・・」


慌てて言い訳っぽい言葉を並べだすシルバーを見て、ゴールドはくすりと笑った。
それは誰もが見とれる、いつもの彼の笑顔だった。


「だよなー!今のシルバーは、俺に構うだけで精一杯だもんな!」


どこか嬉しそうにそういうゴールドに、シルバーの顔は熱くなった。
それは照れでもあり、恥ずかしさからでもあった。
結局、ゴールドはシルバーにこの言葉を言わせるためにこんな話をしたのだ。
それが分かったとたん、嬉しいやら情けないやら。
シルバーはまたため息をつきたくなった。


「シルバー!今月もいっぱい遊ぼうな!」


でも、ゴールドの笑顔を見ていると、そんなことすら、どうでも良くなってくるのです。
(恋は盲目とはよくいったものだね)



『本音が見えない』




あとがき
書き直したぶん第八弾です!
感想としては、ものすごい疲れた。
誰だよこいつら、って感じです。
私のサイトにはなかなか珍しい二人の設定。
まあ、たまにはいいか?(もう二度と書きたくないが)
えー、最後のほうは相変わらずてきとうです!←おい
もうめんどくさ・・・っ、いえ、なんでも。
久しぶりにメールをチェックしたら、リクエストがきてました!
気づかなかったぜ・・・・・。
リクエストして下さった方、すみません!
サイト改装終わったら絶対書きますんで!
では、今日はこのへんで!
アディオス!

2012年08月11日 管理人渚