オマケ




「・・・・・・・・・・・・っ」


目を覚ますと、空を飛んでいた。
何故か月がバックにあり、足は地につかない。
くらくらとする意識の中、何があったのか思い出そうとする。
たしか俺、吸血鬼に襲われて・・・・・。
あれ?じゃあここはあの世なのか?
でもなんか違う気がするぜ。
ぼぉ〜とする思考は、なかなか定まらず、終いにはどうでもいいことまで考え始める。
今日のハゲ校長の頭、いいてかり具合だったな。
思わず蹴りたくなるほどだったぜ。(色々と恨みが)


「目覚めたか?」


ふと聞こえた低い声。
俺は声がしたほうをみると、思わず反射的にけりを入れたくなってしまった。
あ、別にてかってた訳じゃないぜ?
ただびっくりしたっつーか、むかついたっつーか、うん、むかついた。


「なんで・・・・・、つーか何故に姫抱き!?」

「背負うと飛びにくいからだ」


きっぱりとそういう奴の顔はやっぱり人らしくなく、俺とは違う世界の生き物なんだと実感する。
・・・・・ってかよ、何で俺まだ生きてんだぁぁぁぁーー!!!!!
そしてなんだこの状況!!


「放しやがれ!!」


じたばたと暴れて離れようと試みるが、ほとんど体が動かない。
くそっ、一体俺に何しやがったんだ。
つーかそこで笑ってんじゃねーよ!
こっちは必死なんだよ!!


「さっさと血を吸って殺せばいいだろ!!」

「それは出来ない」


可笑しそうに、しかしどこか冷静に奴はそういった。
俺は動きを止めると、その銀色の瞳を睨みつけた。
勿論効くはずがないが、それでもやらずにはいられない。
だってよ、俺は死を覚悟してたんだぜ?
なのにこいつの気まぐれ・・・・・・かどうかは知らねぇが、そんなもんで生かされているなんて恥じだ!
それだったら殺されたほうがマシだっつーの!!


「なんでだよ!気まぐれだったら許さねーぞ!!」

「気まぐれなんかではない。気に入ったからだ」

「なっ・・・・・」

「気に入ったから側におきたいと思った。なら連れて行くまでだろう?」


にっこりと微笑む奴の顔が、月の光に照らしだされ、思わず綺麗と感じてしまった。
かぁ〜と頬が熱くなり、隠すように奴に抱きついた。
あー、なんで本当にこんなことになってんだ!?
今日は本当に運がわりぃ!
朝から黒猫が通るしハゲ校長に運が悪いって言われるし、終いには吸血鬼にさらわれるだぁ?
聞いたことねーよそんな奴!
・・・・・・・・・でも、案外楽しいと思っている俺は、最高に運がいいのかもしれない。
そう考えなければ負けだっつーの!



(どうせならとことん抵抗してやるぜ!そっちの方が、楽しいだろ?)




END






*背景は、『Photo by Natuyumeiro』こちらからおかりしました。