『Februaryfourteenth』
「・・・・・・・・・・・・」
俺は今機嫌が悪い
それをというもの全部こいつのせいだ
夜遅くまでほっつき歩いていたと思ったら、帰って来たとたん訳が分からない事を叫びだすし
あげくのはて俺のせいだって?
冗談じゃない!
冗談はその頭だけにしてくれ
「何呑気に本なんか読んでんだよ!聞いてんのか!?おいっ!シルバー!!」
ああ
うるさい
今日はただでさえうるさかったというのに、部屋に帰ってきてからもうるさいだなんて・・・・・・
うんざりする
お前はそのエネルギーをちょっとは勉強に回そうという気は無いのか?
そうすれば少しはマシな頭になるかもしれないのに・・・
ああ・・、本当にうるさい!
「何無視してんだよ!糞シルバー!!」
「うるさい」
あまりのうるささに口を開いてそういえば、ゴールドは顔を真っ赤にさせて、鋭い目つきで俺をにらみつけながらこう言った
「何だよっ!元はといえばお前のせいだろ!?分かってんのか!!?」
ああ・・・、またこの繰り返し
いい加減嫌になる
しゃべり続けるこいつを無視すれば、しつこく呼びかけられ
訳の分からない事を言っているこいつにうるさいと言えば、何度も俺のせいだといってくる
本当にお前は少し黙るということが出来ないのか!??
「お前が今日学校に来なかったせいで女子が俺にチョコ渡すし、しかもシルバーさんにわたしてくださいだぁ?んなことできるわけねーだろ!!
シルバーに渡すぐらいなら死んだほうがマシだ!!つーか女子共見る目無さすぎなんだよ!こいつのどこがかっこいいってんだ!俺様のほうが数
百倍かっこいいだろ!!」
ゴールドのうざったさに無視を決め込んでいれば、ゴールドが思い出したように説明を始める
何だって?
チョコ?
ああ・・・、そういえば今日はバレンタインデーか・・・・・
どうりで姉さんがチョコを渡してきたはずだ
なんだか妙にニコニコしていたけど、何か良いことでもあったのだろうか・・?
ふと姉さんの今朝の表情を思い出した
なぜだか知らないが、妙にニコニコしていたのを覚えている
ひょっとして姉さんは俺がこうなる事を分かっていたのか?
わかっていたから妙にニコニコしていたのか?
・・・・・だとしたら言ってくれればよかったのに・・・
そうしたらこんな面倒なめにあうこともなかった・・・・・・
ちら、っと今だ騒いでいるゴールドを見る
さっきまでは気がつかなかったが、確かにその手にはチョコレートの箱らしきものが握られている
わざわざ持ってきたのか・・、さっさと捨てればよかったものを・・・
まあ、こいつがそんなことを出来るはずはないがな
きっと誰よりも女子の気持ちを分かっているんだろうからな
こいつは・・・・・
・・・・・・・・・・はぁ〜、仕方ない、か
俺は読んでいた本を閉じ、数歩はなれたところに立っているゴールドに近づいた
とたん奴は静かになり、驚いた表情で俺を見てくる
「なっ、なんだよ・・・」
戸惑う奴をよそに、俺はぐいっと奴の腕を引いて抱き寄せた
「うわっ!?」
そんな俺の行動を、やつは少しも予測していなかったのか、あっさりと俺の胸の中に落ちてきた
「・・・っ!はっ、離せよ!!」
ゴールドは俺の顔を見上げながらいう
ちなみに俺は全く力をこめていない
少しゴールドが暴れれば、すぐに離れられるだろう
しかしそれでもゴールドが全く抵抗しないのは、気づいてないのか・・、はたまた考えてないだけなのか・・・、それとも・・・
何か他に理由があるのか・・・
まあ、どちらにしろ
「俺には関係ないことだがな」
「はあ!?何がだよ!!」
つぶやいた俺にゴールドが、すぐさま反論をしてくる
俺はそれを無視して、手にもっていた本を読み始めた
相変わらずゴールドは抵抗をしない
俺は少しそれを不気味に思った
しかし奴が不満そうに、なおかつ寂しそうにこちらを見上げてくるので、文句のひとつでも言いたいところをぐっと我慢し
「お疲れ」
と
言わなくてもいい労いの言葉を言った
END