俺にはシルバーというかなりむかつく同室者が居る。
その同室者のことが俺は大嫌いでいつも喧嘩の毎日。
いつからこうだったかといわれればもう最初から。
思えば第一印象がよくなかったと思う。
あの出会いは半端無かった。
入学式の日に寝坊してしまい急ぐ俺の前に現れたそいつは、舞う桜の花びら中におり最初は綺麗だとさえ感じた。
おもわず足を止めてその姿に魅入れば、こちらに気づいたらしいのか近づいてくる。
うわ〜綺麗な『女子』だ。
そう、俺がそう勘違いした時点で俺たちの最悪の関係は始まっていたんだ。
近づいてきたそいつは、俺にポケスペ学園はどこにあるかと聞いた。
丁度俺もそこに行くところだと一緒に行くことにしたまではよかった。
しかしその後いった言葉がまずかった。
こんな綺麗な女子と登校できるなんてある意味遅刻して正解だったな!
勿論男であるそいつがそれに怒るのは当然で、いきなり突き飛ばされた。
俺は男だといわれ、すぐに謝ろうとした。
そりゃ俺だって常識ぐらいはあるからな。
勘違いしたと思えば謝るぐらいするわけで。
でもその後奴に言われた言葉がまずかった。
これだから低レベルな男は嫌いなんだ。
・・・・・・ちょっと待て。
低レベルって俺のことか!?
このかっこいいゴールド様のことなのか!?
そりゃ勘違いした俺が悪かったけどよ、そんな言い方はねーんじゃねーか!?
むかつく奴だなこいつ!
売り言葉に買い言葉で、そっから喧嘩の始まり。
終いにはとっくみあいになって制服は汚れるわ、走れば間に合うはずだった入学式に遅刻するわ、もう最悪だった!
もう会うことはないだろうと思ったが、同じクラスでしかも席が前後だったときはマジ神様を恨んだ。
どーしてこういうときに限ってサ行とカ行がいねーんだよ!
普通居るだろ!?
幼なじみのクリスは俺の隣で笑ってやがったし。
もう友達が出来たのね。
そう笑ったクリスの言葉を全力で否定してやった。
奴も同感だったらしく、これでもかってくらい俺を非難した。
そこでまたかちーんと来て、殴り合い。
最終的には色々な先生達を巻き込んでやっと止まったけど、俺たちの関係はもう最悪。
とりあえずその日はそれで終わったが、次の日の休みに寮にてまた問題発生。
基本的寮のルームメイトは高等部にいくまで変わらないらしい。
どんな奴とでも仲良くやっていける自信があった俺だが、先に来ていたルームメイトを見て、おもわず逃げ出しそうになった。
まさかよりによってルームメイトがあのむかつく野郎なんて。
先生に変えてくれと怒鳴りこみに行こうかとも思ったが、行動に移す前に奴に先手を取られてしまう。
同じ部屋でも居ないものとして考えればいい。
何故奴がそういったかは分からないが、それもそうかと居ないものとして捉えることにした。
さっそく部屋に運ばれた荷物を整理し俺だけの部屋を作る。
しかし普段から片づけをやっていないためかなかなか終わらない。
いつの間にか辺りは暗くなり夜になっていた。
夜になってまもなくもしないうちにルームメイトがうるさいと怒鳴りにきた。
居ないものとして捉えるんじゃなかったのかと言えば、うるさすぎて出来ないと。
わがままな奴だな〜といいながら、漫画の束を持って奴に近づく。
そのまま手渡してそれ本棚に並べておいてくれと支持した。
最初は何故手伝わなければいけないと嫌がっていたが、使えるもの親でも使えというだろといえば諦めたらしい。
大人しく本棚に漫画を並べた。
結構手際がいいなと思いつつ、俺も片づけをする。
あいつが手伝ってくれたからか、部屋の整理は二時間ほどで終わった。
すげーじゃん俺と、笑みを作って、自慢げにルームメイトを見る。
しかしおもいのほか冷静な顔をしており、そこでまた綺麗だと思ってしまった。
ぷいっと顔を背けて少し考える。
さっさと出て行こうとするあいつの腕を掴んでありがとう。
それだけをいって部屋から追い出した。
これで俺たちの関わりは終わり。
今日はもう寝るか。
疲れた体を休めるためにさっさとベッドにもぐりこんだ。


それから一週間は比較的平和な時間が過ぎた。
クラスで気の合う奴も出来たし、購買は美味しいし。
レッド先輩達は相変わらずだし。
・・・・・・・・・ただ、なにかを物足りないと思っているのは何故なのだろうか。
毎日平和に過ごせてこれ以上の幸せってないと思う。
でも何故か物足りない。
この感情は何?
そんな事を考えながら廊下を歩いていたら上級生とぶつかってしまった。
しかし俺はちゃんと前を見ていたし避けようと思った。
でもぶつかってしまったのは明らかに故意にこいつらがぶつかってきたからだ。
こちらに非は無いというのに責められる俺。
何?俺から金でも巻き上げたいの?
ほんっとどこでも上級生ってこれだから嫌になっちゃう。
一発重いの食らわせましょうか?
ぐっと拳を握り今にも殴りかかろうとした瞬間、急に体が引っ張られる。
するりと上級生の手から体が抜け、そのまま逆方向に走らされる。
状況が飲み込めない俺が見たのはむかつくあの野郎の赤髪で。
おもわずけりを入れてしまいそうになったがそこはぐっとこらえた。
後ろから追いかけてくる上級生をふりきってきた場所は屋上。 なんのつもりだといえば、分からないといいやがる。
邪魔すんなよと言えば、悪者扱いされるのはお前だと。
そのまま無言の状態になりしばらく時がすぎる。
どのくらい時間がたったか知らないがふと開く屋上の扉。
そこにはえらく可愛らしい女子が居て、俺からだいぶ離れたところに居るあいつにラブレターらしきものを渡した。
生で見ちゃったよ告白場面、と興奮すると同時に、どこかモヤモヤした気分の俺が居る。
あり?何これ?
確かに俺女子が大好きだけどこんなにイライラしたっけ?
・・・・・んー、もしかして、最近何か足りないって思ってたのこれなのか?
そんな事を考えているうちに告白は終わったらしい。
どうやらアイツがふって終わり。
振っちまったんだ、とどこか残念に感じる俺がいた。
・・・・・・ん、やっぱ足りなかったのってこれみたい。
そうだよ、恋だよ!
せっかく中学生になったんだ!
恋の一つでもしようぜ!
やっとモヤモヤの原因が分かった俺は意気揚々と屋上を出ようとする。
するとアイツに呼び止められた。
くるりと振り向けば何かいいたそう。
俺は少し考えると、にこっと笑ってこう言った。
サンキュー、シルバー。
気づいたのぶっちゃっけこいつのおかげだしな。
不本意ながらお礼を言ってやる!
なんて優しい俺!
さてこれでもう文句は無いはず。
新しい恋でも探しに行きますか!
今度こそ屋上を後にして、いい女チェックの為他のクラスへと行く。
色々な人に女の情報を聞き俺好みの子を探した。
そこから一週間はアタックしたり告白したり。
しかし告った女子が必ず言う言葉は、
ごめんなさい、私シルバー君が好きなの。
そりゃもうぷちっと俺の中で何かが切れた気がした。
おそらくクラスに居るだろうシルバーの所まで行き、今にも殴りかかりそうな勢いで文句を言う。
最初こそは静かに聞いていたシルバーだが、だんだんむかついてきたのか奴も言い返すようになった。
その争いはだんだんとあたりに広まっていき、野次馬が出来る。
その中には俺を振った女の子達もいた。
女の子達は俺がシルバーに殴りかかろうとすると何するのと言ってとめて、かばう様に前に立つ。
くそっ、なんだよこれ。
これじゃあ俺のほうがよっぽど惨めだ!!
ぎゅっ拳を握り、俺を押さえつける女子を吹っ飛ばそうかと思った。
でもそこはほら、男としてやっちゃいけないだろと抑える。
それでもやっぱり怒りはおさまらず、きっとシルバーを睨みつければ以外にも奴が女子を退かした。
ここぞとばかりに文句を言おうと口を開いたが、残念ながらそれが言葉になることはない。
いきなり胸元を引っ張られ、口にぬくもりを感じる。
え、ナニコレ・・・・・・。
無意識に足りなくなった酸素のため口を開けば、するりと入ってくる舌。
あまりの気持ち悪さに舌を引っ込めればそれすらも簡単に絡め取られてしまって。
ほんと訳がわかんなくなった。
頭の中真っ白になって、しばらくそのままで。
初めて味わう快楽、快感に俺は酔いしれていた。
そんな俺が意識を取り戻したのは、周りにいた女子が悲鳴みたいな声を上げた瞬間だった。
とっさに舌を噛みひるんだところで突き飛ばす。
きっと奴を睨みつけ、お前なんか、大嫌いだと叫んだ。
そのまま教室から飛び出して学校を抜け出した。
第一印象はアイツのほうがよほど俺が最悪な奴に見えただろう。
でも第二印象は?
きっと俺のほうが最悪。
だってあんなキッ・・・・・、っ。
初めて、だったのによ・・・・・・。
頬を伝う涙には気づかないふりをして、俺はただただ無我夢中に走り続けた。
ああ、マジ最悪。














部屋の中で溜息をつき目の前に居るシルバーを睨みつける。
あれからもう一年たったわけですが、いまだに俺は恨んでいるんですよ。
あんなことさえなければ俺の高校生活はもっと平穏だったろうに。
いやそれ以前にこいつと会わなければよ。
もう一度深い溜息をつけば馬鹿でも悩みがあるんだなとシルバーの嫌味が。
そーですよ、お前の事で悩んでんだよと嫌味返し。
でもたいして効いてないようで。
入学式のことを思い出してたんだよと言えば何か納得したよう。
にやりとこちらを見て笑い、何を思い出したと聞いてくる。
俺はしばらく黙って、その後こう呟いた。
お前が大嫌いだった事を思い出してた。そしてそれは今も変わらねぇ。
てめーみたいな奴大嫌いだ。さっさと死んじまえばいいと思うし俺の前から消えればいいと思う。
地獄に堕ちて、二度と戻って来なけりゃいいんだ。それか永久に一人で生き続けるか。
俺はそれほどお前を嫌っている。
・・・・・・でも、その何倍も何十倍もシルバーという存在を愛しちまったんだよ。



「・・・・・・・・・・・・・・知っている」



そう言い切った後ふわりと笑うシルバー。
反則だろ、と呟いて、やっぱてめーなんか大嫌いだと訂正した。
そしたらシルバーはまた知っていると笑った。




『大嫌いも大好きも』








END



後書き
・・・・・・・・・・・ふしゅ〜。
はい、恥ずかしさのあまり燃え尽きた管理人です。
初の台詞少なめに小説に挑戦してみました。
結果は惨敗でしたが今後のいい教訓に・・・・・、なるといいなぁ(遠い目)
・・・・こほん。
とりあえずこれは拍手にコメントを残してくださった人へのお礼文です。
わざわざ残していただきありがとうございました。
これからも残してくれるようであるなら、貴方様のためにいくらでも書いちゃいますので(キリッ!)
あ、でも、微妙に名前を欲しいなぁと思う今日この頃です。
そのほうがよく分かりますし、私も名前が分かって親近感が・・・・・・。
・・・・・・・・・すみません、かなり無茶なことをいいました。
とにかく、拍手をしてくださった皆様ありがとうございます!
これからもよろしくお願いいたします!