『大嫌い』


大嫌いな点をあげろと言われれば、そりゃーいっぱいある。
そりゃもーいっぱい。
ただ、好きな点をあげろと言われれば、返答に困ってしまう。
だってあいつの好きなとこなんてねぇし。
嫌いなとこばっかだし。
すぐ俺のこと馬鹿にするだろ?
趣味あわねーだろ?
女にモテるだろ?
ほら、好きな要素なんてなんにもない。
じゃあなんで一緒に居るんだ?
んなもん、俺だって分かるか!


「ゴールド、いい加減にしないとお前帰れないぞ?」

「分かってますっての!ミナキセンセー」

オレンジ色に染まった教室で、一人先生と居残り授業。
机の上にある一枚の紙を見ては、それをぐしゃぐしゃにしたい衝動に駆られる。
道徳の時間で使ったこの紙。
テーマは『同室者の良いところ・悪いところ』
いまどき中学生がこんなのやるかっつー内容。
なんでも心を学ぶに必要だとか。
心?
なにそれ。
十分もってますけど!今更習わなくとも。
しかも同室者ときた。
俺の同室者といえば、あのむかつく赤髪学年トップ君だ。
良いところ?
思いつくわけねーだろ!
既に真っ黒になっている悪いところの欄を見て、これ以上書く事があるわけねーと、あざ笑った。


「本当に何も思いつかないのか?あのシルバー君だぞ」

「思いつくもなにも、思いつくわけなんてねーんですよ!最初っから!つーか、俺はあのシルバーが俺の良いところ書いたって事のほうが驚きッスよ!」


教室に残ってるのは俺一人。
俺の同室者であり同じクラスであるシルバーは、ちゃんと空欄を全部埋めて、先生にこの紙を提出したらしい。
ありえねー話だぜ。
いったいなんて書いたんだか!
どーせホメ言葉にもならない皮肉がかいてあるに決まってる!
生憎こっちはそれすら書く気になれねーけどな!
偽りで固めた言葉を書くのも吐き気がする。
あー、こんな紙燃えちまえばいいのに!


「困ったもんだな・・・・、なんとかならないのか?」


呟いた先生の言葉を受け流し、窓の外に目を向ける。
ただの現実逃避だったんだが、窓の外を見て後悔した。
畜生、なんで見ちまったんだよ俺!


「ゴールド君、聞いているのかい!?」


先生の言葉も耳に入らず、窓の外に釘付けになる。
そこには現在進行形で俺を悩ましている張本人が居て、その隣には姉である生徒会長の姿が。
どうやら一緒に下校するらしく、仲良さそうに歩いている。
珍しくはにかんだアイツを見て、思うことが一つ。


「・・・・・はぁ、そんなに書けないなら、シルバー君が書いたのでも見て参考にするかい?」

「・・・・シルバーの?」


取り出された紙を見て、少し考えてから受け取った。
シルバーが書いた俺の『イイトコロ』ってやつをみて、また、先ほどと同じことを思った。


「シルバー君は君を良く見てると思わないか?私はそう思うね!まさしく君そのものだ!」

「・・・・あぁ、そうッスね・・・・・」


書かれていた『イイトコロ』
『誰とでも仲良くなれるところ』
皮肉なんかじゃなかった。
でも、皮肉なんかより何倍も痛かった。
なんだよ、なんでだよ。


「だから大嫌いなんだっつうの」

「・・・・・・ゴールド君?」


終始変わらない気持ちを呟いて、窓の外を睨みつける。
相変わらず仲よさそうに歩いている二人。
俺が友達やら後輩やら先輩やらと歩くのとなんら変わりはねーんだろうけどよ。
でもよ、てめーに一つ聞きたいことがあんだけど。
なぁ、あのさ、

嫉妬とかねーの・・・?





END



後書き
書き直し第二弾です!
当初はイエローの実験だったこの作品。
かなりシルゴ色が強くなりました。
シルゴっていうか、シル←ゴ・・?
・・・・・・うーん、ま、いっか。
え?よくないって?
はっはっは!はっはっは!気にしない気にしない!(反省の色なし)
今日は疲れたのでこの辺で。
サイトにアップするのはいつになるかなー・・・・。
では!

2012年3月21日 管理人・渚