『愛の通信機』
ぴろりん!
「「?」」
「あっ!・・・・・・・・・・へー、そうなんだ。元気そうでよかった」
私の家でヒビキ君たちと勉強会をしているとき、ふと高い音が聞こえた。
カナデにも聞こえたみたいで、驚いたようにヒビキ君を見ていた。
ヒビキ君はなにやら手元を見ているみたいで、こちらには気づかない。
勉強の途中で手を止めるなんてずいぶん珍しいな、と思って声をかければ、可愛い顔して謝られてしまう。
隣に若干鼻血を流している変態がいた気がしたけど、この際気にしないでおこう。
「どうしたの?」
「ちょっとね」
ふふっと笑い、また手元を見るヒビキ君。
あいにくこちらからは机の影になっていて手元は見えない。
なので音だけを聞いていれば、カチカチという音の後に、また高い音が聞こえた。
ごめんね、とヒビキ君があやまり、再び勉強に集中する。
なんだったんだろうと思ったが、たいして気にかけることでも無いので気にしないことにした。
カナデはカナデで鼻血を抑えるのに必死だし。
一回ぶん殴っておこうかしら。
よくも私の幼なじみを。
でもそんな事したらヒビキ君に嫌われちゃうわよね。
ぐっと拳を握り我慢する。
しかし今に見てろよと、にっこりと微笑みかけた。
「!?」
そのことに気づいたのか、カナデもこちらを睨んでくる。
目だけで冷戦を繰り広げ、アイコンタクトで相手に罵声を。
まずこちらがヒビキ君に手を出したら許さないわよと送り、カナデはもう出しているとなんとも生意気な返事をしてくる。
ぶっ殺すわよと送れば、やってみろ、ヒビキが悲しむだけだぞと。
私が慰めるわよと送れば、無理だと。
机の上での睨み合いを続けていれば、いつの間にかヒビキ君がこちらを見ていて、私とカナデに仲がいいんだねと言った。
「こんな女と仲がいいなんてあるわけない!!」
「そうよ、ヒビキ君。この男は貴方に害をなす害虫なのよ」
「・・・・・・・えーと、喧嘩するほど、ってやつかな?」
「「違う!!」」
思わず声がはもってしまい、気持ち悪さに殺してやりたくなった。
でもヒビキ君はくすくすと笑っており、やっぱ仲いいねなんていってる。
反論する気も失せれば、向こうもそうだったみたいで。
さりげなくヒビキ君に近づき、手元を覗き込んでいる。
・・・・おい、何してんだこの変態ストーカー野郎。
「・・・ヒビキ、お前いつ携帯なんか買ったんだ!?俺でさえ知らないぞ!?」
「え・・・・、言ってなかったっけ?」
携帯!?
思わずびっくりして私も手元を覗き込めば、たしかにそこには携帯が。
そんな・・・・、ヒビキ君がこの私になんの報告もなしに携帯を買うなんて!!
ちゃんと二十四時間、というわけにはいかないけど、この間のデートの日だって見張っていたのに!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・何よ」
いつの間にかカナデがこちらを哀れんだ目で見ており、むかついたので一発パンチをおみまいしてやった。
・・・どこにって?
それは勿論男の急所に。
あ、ヒビキ君にはばれてないから安心してね♪
「・・・この、ストーカー、女め・・・・」
「あんたに言われたくないわよ」
どうしたの?とヒビキ君がきき、私はにっこりと笑顔を作る。
なんでもないとこたえ、この携帯誰から貰ったのと、さりげなく聞いてみる。
さすがに貰ったってことはないでしょうと思っていたが、かえってきた答えは意外なもので、かなりびっくりした。
「よく分かったね、さすがコトネちゃん」
「え・・・・・・・」
誰かから貰ったですって!?
まさかこの男から・・・・・。
きっと睨みつければ、違う違うと首を横に振る。
よく考えればこの男も携帯のこと知らなかったものね。
知っていたら絶対に携帯番号を交換しているはずだわ!
でも私のめの黒いうちはさせないわよ!
「一体誰からなの?」
「・・・・・えーと、友達、だよ?」
若干笑顔が引きつっているのは気のせいだろうか。
いや、気のせいではない。
私に嘘なんかついたことなかったのに・・!
この変態と付き合ったときも真っ先に報告してくれたのに・・!(勿論その後アイツを殺しにいったけどね)
何故言ってくれないの!?
まさか浮気相手とか・・・・・。
こいつと別れてくれるのはありがたいけど、駄目よ!
どこのどいつとも分からない馬の骨女にヒビキ君のことはまかせられない!
ちゃんと私が判断しなくては!
「一体誰なの!?言いなさい!ヒビキ!」
「とっ、友達だって!もう!ほっといてよ!」
ぷいっと顔を背けるヒビキ君。
そんな・・・・・、まさかそこまで本気なの!?
だとしたらなおさら会っておかなくては・・・・。
えーい仕方が無い!本当はこんなことしたくないけど・・・、
「貸しなさい!」
ぱしっとヒビキ君から携帯を奪い取り、書き途中のメールのあて先を見る。
するとそこには私の知らない女の名前が。
しかも本文には、『ええ、僕もいい雰囲気だったと思ってます』と書かれている。
誰よ一体これ!?
私の可愛いヒビキ君をたぶらかすとは・・・・・、生かしておけないわ!
「あー!返してよコトネ〜!」
「・・・・・・・・カナデ」
「・・・えっ、あ、はい!」
私の迫力にびびったのか、素直に答えるカナデ。
ずいっと携帯を突き出せば、きょとんとした顔になる。
どうやらこいつも知らないみたいね・・・・・。
仕方が無い、一から調べ・・・・・。
「・・・・・・・・・あ」
そう思ったときだった。
ぼそっと声をだすカナデ。
知っているのと問えば、何故か顔を青くさせている。
やだ、私の顔そんなに恐かったかしら。
そこまで恐くはないつもりだけど・・・・、てかレディーに対して失礼よ。
「カナデ?」
「・・・・・・ヒビキ、一体いつの間にメールアドレス交換したんだ?」
「あー・・・・、言うなって言われてたのに・・・・・。もう、僕しらないよ?」
少し頬を膨らませながら、どこかおびえた表情でそういうヒビキ君。
えっ、何?
そんなに恐い子なの?
この『ハート』って子・・・・・。
「・・・・・・あー、コトネ。ハートは、男だぞ」
「・・・・・ええ!?まさかまた男に惚れたの!?」
「またって言わないでよ!確かにハート君は綺麗だけど・・・・、僕が好きなのはカナデだけだよ!」
はっきりと誓言するヒビキ君。
そう・・・それは良かっ・・・・、って良くないわ。
今なんていった?
好きなのはカナデだけ・・・・・、それはそれでまずいわよ!
でも今はとりあえずこのハートってこの情報を集めなきゃ!
カナデをしばくのはその後でも遅くないわ。
「それは悪かったわね。・・・・で、いつのまに知り合ったの?ハート、君と」
何気に二人の世界に入ろうとしていたヒビキ君とカナデを引き剥がし、そう聞く。
ヒビキ君はう〜んと考え、しばらくしてこう話し始めた。
ちなみにカナデはその間私をずっと睨みつけていた。
ふふっ、いい気味。
「知り合ったのはだいぶ前で、メールアドレスを交換したのはこの間のデートのときだよ」
だいぶ前・・・・、もしかして、いつだったか散歩に出かけていたときかしら。
あの時はカナデと戦いになってしまい、途中で見失っちゃったのよね・・・。
で、メールアドレスはこの間のデートのときって・・・、そのときはまだ携帯持っていなかったじゃない。
あ、まさかあのレストランの中で!?
予約者限定だったから入れなかったのよね・・・・。
窓からも見えなかったし。
結構ちゃっかりしてるじゃないその子。
いい勝負相手になりそうだわ。
「・・・・そう、どんな子なの?」
「僕にそっくりだよ」
そっくり・・・ということは、あの日のデートメンバーの二人ははずされるわね。
あまりにもカナデにそっくりすぎてちょっと殴りたくなったもの。
あと二人は本当にヒビキ君にそっくりだったけど、どっちかしら?
まあ、どっちでもいいか。
あの二人の中に居ることに変わりはないわ。
「・・・・よくハート・・・・・・、さんなんかとメールできるな・・・・」
・・・さん!?
あのカナデが他のひとにさんをつけた!
よっぽど恐い子なのね・・・・・。
「うん、結構楽しいよ?・・・・・・あ、返って来た」
ぴろりんと音を鳴らし、メールが返って来たことを告げる携帯。
私から携帯を返してもらったヒビキ君は、メールをみて嬉しそうな顔。
あれ?でも友達なのよね?
じゃああの『僕もいい雰囲気だったと思ってます』って・・・・・。
「そっか、相変わらずなんだ。ゴールド君たち」
こっそりメールを覗き込めば、そこにはこう書かれていた。
『やっぱり?でも後一歩なんだよな〜。この間も喧嘩しててよ。思わず屋上に閉じ込めちゃった☆』
・・・・・・少し最後の文が気になったが、ヒビキ君が笑っているのでよしとしよう。
同じくメールを覗き込んでいたカナデは、また顔を青くさせていて、よっぽど恐いんだと思ってしまった。
でもなんか安心。これならヒビキ君に害はおよばなさそう・・・。
ぴろりん!
またメール受信の音がして、まだ返していないのにとヒビキ君が不思議そうに開く。
するとそこにはびっくりすることが書かれていた。
『PS、幼なじみのコトネちゃんによろしくって言っといてくれ!』
「・・・・・ヒビキ君私のことはなしたの!?」
「はっ、はなしてないよね?ね、カナデ?」
「うっ、うん・・・・・」
カナデは同意を求められ、こくんと頷く。
こいつのことは全く信用してないけど、こういうところで嘘をつくやつじゃないということは知っている。
それにヒビキ君も嘘をつくタイプじゃないし・・・、じゃあこの子は私のことをしっていたの?
「・・・・・・・すごいお友達ね、ヒビキ君」
「うん、僕もそう思うよ。頭のいい子なんだ」
「・・・・俺は、サディストだとおも・・・・、なんでもない」
なーんか微妙な感じの勉強会になっちゃったけど、今日はこの辺でお開きにしましょう!
あ、そうそう、ちゃんとヒビキ君からメールアドレス貰っとかないと。
そうヒビキ君に伝え、赤外線通信をする。
「カナデも携帯持ってたよね?交換しよう」
「・・・・・・いや、俺はいいよ。だって・・・・・」
そう言いヒビキ君を引き寄せ、そのまま唇にキスを。
いきなりのことでつい反応が遅れてしまい、とめることが出来なかった。
かぁ〜と頬を赤くさせるヒビキ君を見て、またまたこいつを殺してやりたいと思った。
「言葉なんてなくても、ヒビキを愛していることは伝わるだろ?」
「・・・・・うん、僕も、大好きだよ、カナデ」
あー!!!見てられないわ!
このバカップルめ!
END
後書き
えー、どうも!書きながら羞恥心で何度も手を止めたここなです!
こいつらラブラブすぎるんだよって思った人!
手をあげて!
・・・・うわ〜、いっぱい上がったな〜。
はい、ちょっとやりすぎたと後悔しています。
しかも後日談になっていないという・・・・。
後日談っていうより、デート後どうなったかって感じですね・・・。すみません・・・・!
あと、コトネちゃん初書きなのに性格がかわいそうなけんについて。
真に申し訳ありません。
何故だかあんなことに・・・・・・。
でも、悪くはないよね(笑)
あ、いつものとおり書き直し受け付けますので!
こんなの小説じゃねぇぇぇ!!!
と思った方、ぜひ言ってください!
作者でさえそう思います。駄目文すぎますね。
では、この辺で・・・・・。
あ、ちなみにこれオマケです。
「・・・・・・・あ、でもやっぱりメールアドレス欲しいかも」
「・・・・・・どうして?」
「だって、離れていてもヒビキに愛を伝えられるから」
「・・・・・・・・もう、カナデったら」
(死ねぇぇぇぇぇ!!!!カナデェェェェェェ!!!!!!!!!)by、コトネ
以上です!
お目汚し、すみませんでした!